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【essay 21】泡の世界へようこそ

ハッタリストです。今日は石鹸の泡の話をします。

僕は石鹸の泡が好きです。お風呂に入るたびに、毎回違うパターンの泡ができることに感動します。このような小さな感動を書くと、どこかで「つまらない人間だ」と思われている気がしますが、それは気にしません。毎日の小さな驚きが、人生を彩ってくれます。

石鹸の泡はどのようにできるのでしょうか。石鹸の分子には、一方の端が水を好み(親水性)、もう一方の端が水を嫌う(疎水性)性質があります。石鹸の分子が水と混ざると、水を好む端が水の方に、水を嫌う端が水から遠ざけるように配置されます。そこに空気が取り込まれると、石鹸の分子は水と空気の境界に配置されます。水を好む端は水に向かい、水を嫌う端は空気に向かいます。こうして泡(または気泡)の壁が形成され、その内部には空気が閉じ込められます。この泡の壁は水だけでは不安定ですぐに崩れますが、石鹸の分子が境界面を安定化させることで泡が持続するのです。

石鹸の泡がキラキラと輝くのは、泡の表面にできる薄い膜が光を反射し、その光が泡の内部と外部で干渉するためです。泡の色は、泡の厚さと観察する角度によって変わります。なんて美しい現象ではありませんか。

お風呂の中で石鹸の泡を見つめていると、まるで別の宇宙を覗いているような気分になります。たくさんの恒星や惑星が集まって一つひとつの泡を形成しているように思うのです。実際に我々の住むこの宇宙もそのような構造をしている、という説もあります。

この泡の世界は、私たちの世界と同じように長くは存在しません。石鹸の泡は、生まれてからすぐに消え去ってしまいます。一瞬で出現し、消えてしまうその様子に、この世のはかなさを感じます。

そして、泡が消え去っていくその瞬間にも、新たな泡がどんどん生まれてきます。まるで人類の歴史を象徴しているように見えます。古代の文明が滅び、新しい文明が生まれる。それらに通ずる連続性を、石鹸の泡に見ることができるのです。

泡、見ていますか? 見ていませんかそうですか。今度思い出したときにぜひ試してみてください。日常の中にあるこの小さな驚きが、あなたの日々に彩りを加えるかもしれません。泡の世界へようこそ!

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