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失礼千万!保安上の理由を楯に国会議員へのビデオ開示を拒むのは誤りであること


保安上の問題?

ビデオを出せない理由として、国会では以下の答弁がされました(2021年4月28日衆議院法務委員会稲富議員の質問に対する入管庁松本次長)。

入管収容施設の一般的な性格といたしまして、被収容者には重大な犯罪を犯した者とかテロリスト等も含まれ得るところでございます。したがいまして、入管収容施設に関する保安上の要請は非常に重要でございまして、こうした者の逃走、脱監等を防止するためには、施設の形状や設備、巡回の体制や頻度、監視カメラの撮影範囲や解析度の状況などの具体的な状況は高いレベルの保秘の対象であると考えておりまして、これまでこうしたビデオの内容を外部に開示はしておりません。


これはご遺族に対する開示についての質問でしたが、2021年5月7日、階猛議員らの質問に対しても同じような答弁が繰り返されていました。

入管問題に関わり25年以上になりますが、テロリストが収容されたという話は聞いたことがないです。

”逃走、脱監”……映画やテレビの見過ぎでは?

仮にそのような危惧があったとしても、別にネットに公開せよと言っているのではないのです。議員さんに見せるのを拒否する理由にはならいですよね。

議員さん達が逃走、脱監の手伝いをするおそれがあると言っているのと同じで、もっと怒って良いと思います。

「これまでこうしたビデオの内容を外部に開示はしておりません。」?

開示しています。

いずれも国家賠償の裁判で国に提出を求めたところ、提出してきたものでした。

公開法廷で証拠として取り調べられました。

今回のウィシュマさんのケースでは、カメルーン人男性の動画と同様に居室が映っているはずですが、床とかベッド、せいぜいドアくらいしか映っていません。これでどうやって、逃走とか脱監に繋がるのでしょうか。

ウィシュマさんのケースでも、国家賠償の訴訟になれば、文書提出命令の対象となり、国は提出に応じざるをえないはずです。いずれ出さざるを得ないものなのですから、理由にならない「保安」とか誤魔化さないで出せば良いのに。出せないほど酷い場面が映っているというのでしょうか。

民事訴訟法(文書提出義務)
第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。
二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。
三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書
ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)
ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書


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