スクリーンショット_2018-10-28_23

【書評】問題解決の全体観(上巻ハード思考編)

今回は引き続き書評です。最近は頭を悩ませる問題が仕事でもプライベートでも多々発生しておりまして、改めて問題解決の全体観を読むことにしました。本書は上巻はハード思考、下巻はソフト思考編に分かれており、まずは上巻から見ていきます。

序章:問題解決とその方法論
Part1:問題解決は、確実性のある「型」に沿って進める

 第1章:初級編:【空・雨・傘】を唱えよう
 第2章:中級編:「それ」と「それ以外」で「空・雨・傘」を広げよう
 第3章:上級編:【解読・創案・評価・選択】で精度を上げる
 第4章:共通編:危ない「落とし穴」に近寄るべからず
Part2:問題解決は、威力のある「道具」を使って進める
 第1章:論理ツールを使いこなそう
 第2章:仮説思考で進めよう

ページ数は約200ページなので2〜3日もあれば読破できてしまう本ですが、この手の本は一度見て終わりではなく、繰り返し読むことをオススメします。

代名詞は「空・雨・傘」

初めてこの言葉の組み合わせを聞く人にはなんのこっちゃとなりますが、問題解決において、これほどシンプルな型にあてはめるだけで簡単に問題が解決(できない場合もありますが)できてしまうケースがあるということを説明しています。

「空」とは、直面した状況
「雨」とは、状況に対する解釈
「傘」とは、解釈に基づいてとる行動

例えば、以下のような例にあてはめます。

「空」空が暗い
「雨」雨降るかな
「傘」傘を持ってでかけよう

いろいろなケースがありますが一例としては上記のとおりとなり、基本的にはこの3点をセットで考えればいいというものです。ただし中には不完全なパターンもあり、症状としては以下の4つのケースが存在します。

症状1:「空」のみ
症状2:「空・雨」止まり
症状3:「空・傘」短絡
症状4:突然に「傘」

「空のみ」状況把握と報告だけで思考と行動がストップしているというもの。天気予報で低気圧が近づいていますなどといった場合、これしか情報がないと思考(低気圧?晴れるの?雨降るの?)行動(傘いるの?いらないの?)がわからず「だからなんなんだ!」となってしまいます。

「空・雨」止まりは状況把握と解釈まではするけど行動までには至らないおパターンとなります。空のみよりは進んでいるももの、結局「だからどうするのさ?」となってしまいます。

「空・傘」短絡は意味を考えずに直ちに行動に走るパターンですね。解釈が必要な雨がないため、経験や直感に頼って行動してしまうため、的外れになることが多いというもの。いますよねぇ、俺の経験では〜と言う人。んなもんケースバイケースだろ?と思いながら聞くこともありますが、抽象的ではなく論理的に返す場合にこの型に当てはめるのが納得感も得られます。

突然に「傘」はあるテーマを与えられたときに思いついた「傘」だけを持ってくるパターンです。空抜け、雨洩れですね。要は思いつきで企画を考えてきて、という内容に似ているかも知れません。数打ちゃ当たる!にも匹敵しそうですが、とりあえずガンガン企画を出して良さそうだなーと思ったら空と雨を考えていくケース。絶対ダメってわけではないですが、現状の問題を理解しないでアイデアを出してもなかなか採用されないように感じます。アイデアを出す際にある程度理解していれば別ですが、これからの症状を回避するためにも、以下を念頭に置いておきます。

「空」見たら「雨」を思え、「雨」を思ったら「傘」につなげよ
「傘」の前には必ず「空」を見よ、「雨を思え」

これを習慣化すれば問題解決力が高まったり、仕事が締まるというものなので、何か問題が起きた際、「空・雨・傘」にあてはめる習慣をつけてレベルアップを狙っていきましょう!

あと追加で以下も記載されています。

・「空のみ」や「空・雨止まり」には、「So What?(それで?)」と突っ込め!突き返せ
・「空・傘」短絡や突然の「傘」には、「Why so?(なぜ?)」と突っ込め、突き返せ

情報が不足しているため、それで?なぜ?と突っ込みまくればそのうち回答が得られるだろう、というもの。確かにそうかも知れないし部下には考えさせて知識を蓄えてもらう必要があるけど、これ、地頭がいい人はいいけど悪い人(僕)は言われるとけっこう辛かったりするんですよね。まあ甘えても仕方ありませんが、上司としては少し指南してあげるといいかも。前職の上司は何を説明してもなぜ?しか言わなくて結局話が進まず、それじゃどう思いますか?と上司の意向を聞いても答えがなく平行線のまま、ということがザラにあり、答えがない行動は難しいなぁと思ったことが何度もあります(ソシャゲーの数値なんて正直リリース前にわからんですわ・・・)

本書ではこの他にも勉強になる内容やケースが書かれておりますが、実践したいのはこちら。

最初から最後まで全部読む!
何度も読む!

おそらく、一度読んでも全ては理解できないと思いますので、仕事をする上で困難な問題にぶつかったときでもふとこの書籍を思い出し、問題を型にあてはめてみるとあら不思議簡単に解決しちゃったということがあるかも知れません。

また僕のようにふと思い立って問題解決の原点を見直すのもよい書籍だと思いますので、まだ読まれていない方は一度(できれば何度も!)、何度も読んでいる方も改めて読んでみてはいかがでしょうか。

次回は下巻ソフト思考編をご紹介します。

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?