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映画『ドライブ マイ カー』はこの時代の、象徴だ。

『ドライブ マイ カー』を 観てきました。


率直な感想としては、各々の登場人物が 過去を背負い 淡々と前を みつめる姿に、胸をうたれました。

今回 なにがよかったかというと、各々の発するセリフにズシンとくる重みがあったということです。主人公の家福さん( 西島秀俊さん)をはじめ、ドライバー役の三浦透子さん、ちょっとふしだらな俳優役の岡田将生さん。

みなさん べらべらしゃべる感じではないのですが、逆にそれが ものすごい説得感をこちら側に与えてくるのです。

ことばを愛している自分にとっては、ああ、こういう伝え方もあるのだなと 腑におちた点が多かったです。


あともうひとつ。

この作品は、この時代にうまくマッチしているのだと思いました。

作中では、国籍のちがい、手話を用いた会話、過去の虐待ともとれる描写、そして 愛する者を失った喪失感などが 織りまぜられています。

現代でいえば、今のウクライナ情勢であったり コロナ禍に直面している困難であったり、SDGsに通ずるところもあるかと思います。


いちばん胸を打たれた場面が、最後の舞台シーンです。女優さんが手話で 観客に 語りかけます。無声、無音、手話が ことばとして脳にやきつけられています。

この演出は すばらしいと思いました。


ここまでお読み頂きまして ありがとうございました。


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