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Conviviality Anthology

2020年から今に至るまで。何を失って何を得たのだろう

そう考えた時に、なんとなく頭に浮かんだ言葉が Conviviality でした。
難しいことは考えられない脳みそですが、感覚的に今を表す言葉としてフィットしている気がします。
Convivialityとは、宴会/陽気さ、学術的には自立共生という意味も持つ言葉です。私のイメージとしては両方の意味を含めて捉えています。

人の記憶は頼りないもので、過ぎていく時間の中で瞬く間に薄れ消えてゆく。特に容量が少なめの私にとっては最近より加速して消えていくように感じられます・・・

残しておくべき記憶と感情を保存するための方法として、音楽に残すという手段を取ることがあるのですが、今回はコレだなぁと思っているところです。

ありがたいことに、尺八アンサンブルの新曲を演奏させていただける機会ができたので、ここぞとばかりに今考えていることを詰め込んだ作品を作ることにしました。

2020年は比較的一人で音楽を作って完結させる事に力を注いぎ、それはそれで、得たものもありできることも増えたのですが、逆に足りないものをより際立たせる事になったのかもしれないと思います。ありきたりすぎることを言うようですが、人は一人じゃ生きられないってことで。つまりはConvivialityを失ってしまったここ数年間の空白をどうやって取り戻すのかを考えるようになりました。

"相互依存のうちに実現された個的自由"という定義を音楽に置き換えた時に、なんとなくJAZZの演奏スタイルが思い浮かびました。コードという規則性の中で一定の節度を保ちながら、個々の自由が表現される。同一の楽曲を演奏するにしても演奏するメンバーやアレンジ次第で全く違った表情を見せることができ、同じ音楽を奏でることはないし求められていない。それは一期一会の宴にも似ているのかもしれない。

ただ今回は尺八アンサンブルなので、どうしたものか。

考えた末、五つの短い曲を好きな順番に組み替えて一つの流れを作る作品になりました。

五つの曲は共通点を持ちながらも、同じようには聞こえず組み替えても不自然にならないように。数パターンのコードを並べ替えて配置したり、メロディーの断片や逆から音形を引用したりとどこか面影を残しながら材料となる部分を作りました。感情的でないものから何かを見出すことはなかなか難しい。
いつもと真逆な方法での作り方だったので、暗号のような紙がいくつも散乱することに・・・

また、編成は五重奏でそれぞれの曲でメロディーを担当。さらにソロの部分も作ってみました。(これは演奏する人が大変かもしれない)けれど毎回演奏する人によって違う表情を見せられるような曲にしてみたかったので、結果入れてしまったw

^^;

ここまで説明してなんだか小難しい曲のような印象を与えてしまいそうですが、anthologyは作品集、とりわけ詩集という使われ方をすることが多いので、五つの短いポエムのイメージ。ポエム的な誰にでもわかりやすいメロディーにしたつもりです。

例えが良いかわかりませんが、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎ、肉、水があって何作りましょう?ということです。調味料はお任せで。
カレー作るつもりで材料用意しましたー!って人がいると面白みに欠けるので、今回私は入りません。
何ができるのか当日のお楽しみということで・・・

なんだかConviviality Anthology が美味しそうなタイトルに思えてきた(・ω・)

気になる方はぜひ11月15日 代々木上原 ムジカーザへ!

心よりお待ちしております🌱


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