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脳腫瘍摘出の手術〜後遺症の話その9

顔面麻痺

顔面麻痺は術後、周りの様子で
なんとなくわかっていました。
それと左側だけに異様な痺れがあったため、

たぶん麻痺しているんだろうな

と思ってました。
しかし鏡を見る余裕もなく
しばらくはどうなっているのか
わからないままでした。

初めて左側が麻痺した自分の顔
見た時は確かにショックでした。

まぶたが下がり、
目がすわっている様に見える。

両目一緒に意識していないと
左目は閉じられない。

左目は瞬きをしていない(らしい)。

もちろんウインクなんてできるはずもない。

瞳がガラス玉のように動かない。

口角は全く上がらない。

イーの口もウーの口もンーの口もできない。

ほおは何も動かない。

眉が下がったまま動かない。

眉毛の段差といったら、笑っちゃうレベル。

うがいができない。
口の左側から水がこぼれてくる。

口の中も左側は痺れていて感覚がない。

唇と舌は面白いことにすっぱりと
真ん中で分かれて左側半分だけが痺れている。

それら全てが自分の意思で
全く動かせない事が不思議でした。
左右のバランスが違うだけで
とにかく変で不細工。
笑えない。笑顔が歪んでる。
おまけに鼻にチューブまで。

なんの試練なのか
なんの罰なのか
なってみないとわからない

まさにそれです。

「麻痺は3ヶ月をめどにね」
「治るんですか?」
「神経を切ったわけではないので、
 リハビリをがんばりましょう。」
「リハビリすれば治るんですよね?」
「がんばりましょう」

医師は治るとは絶対に言ってくれません。

でもその時は
リハビリさえすれば3ヶ月で元の顔に戻る
信じて疑いませんでした。

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