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脳腫瘍摘出の手術〜後遺症の話その10

食事をするということ

術後10日〜

嚥下の検査をして結果、
食事を軟食で開始する事になりました。
最初はチューブを入れたままで食べて、
無理そうなら栄養剤を追加する
という事になりました。
とにかくチューブを早く取って欲しい一心で
運ばれてきた食事を一生懸命に食べました。

細かく刻まれてたり、
餡に包まれてたり、
ペースト状になってたり、
元の素材が何なのかわからなかったモノも
あったけど、とにかく食べました。
一口づつゆっくりと…

お茶もとろみをつけてもらって
スプーンですくって
一旦口の中に入れてから
意識をしてゴクンと飲み込みます。

10日ぶりの食事は
ものすごく美味しく感じました。
本当はひつまぶしや穴子寿司や焼肉や
オムライスなんかを食べたかったですけど…

そして驚いたことに
口から食事をするようになると、
一食食べるごとに体に力が戻ってくる
のが
わかるのです。

ふらついていた足は
しっかりと歩けるようになる。
横になっている時間は
明らかに減っていく。

食事をすることのありがたみを
身をもって実感しました。

口から食べるようになって3日目の朝
チューブを外してもらいました。

スッキリしたぁー!

叫びたい気分でした。

歩けるようになって廊下で
同室の患者さんに会うと

「元気になってよかったね〜」
「大変だったね〜」

皆さんが声をかけてくれました。

「痛い時に唸ったり、
 咽せて咳がしょっちゅう出たり、
 うるさくしてごめんなさい」

そう言うと

「そんな事気にしなくていいんだよ」

というあたたかい言葉に嬉しくて
涙が出そうになりました。


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