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116A44 プロラクチノーマ、高プロラクチン血症【医師国家試験解説】

A44 22歳の女性。無月経を主訴に来院した。初経は12歳。13歳から不規則月経となり、14歳から無月経となった。特に困っていることはなかったが、職場の同僚の勧められ産婦人科を受診した。家族歴、生活歴に特記すべきことはない。身長164cm、体重56kg、体温 36.8°C、脈拍 72/分、血圧 106/76mmHg。甲状腺に腫大は認めない。乳房発育は不良。外性器は女性器。乳頭の圧迫でに乳汁分泌を認める。陰毛と腋毛に異常を認めない。子宮が3cm、子宮内膜は薄い。卵巣は超音波で両側正常大。基礎体温は一相性。高値が予想されるのはどれか。

a GH
b FSH
c TSH
d ACTH
e プロラクチン



※スクロールすると解説と解答が表示されます。



問題文から、22歳の女性が無月経を主訴に来院していることが分かります。主な情報として、彼女は初経は12歳で、13歳から不規則月経となり、14歳から無月経になっています。また、乳房の発育は不良で、乳頭の圧迫で乳汁分泌を認めます。これらの情報をもとに、乳汁分泌の原因として最も考えられるホルモンの高値を選ぶ問題となっています。

選択肢にあるホルモンは以下の通りです。
a. GH (成長ホルモン)
b. FSH (卵胞刺激ホルモン)
c. TSH (甲状腺刺激ホルモン)
d. ACTH (副腎皮質刺激ホルモン)
e. プロラクチン

この中で、乳汁分泌を引き起こすホルモンは「プロラクチン」です。プロラクチンの過剰分泌は、乳房の発育不良や無月経、そして乳汁の分泌などの症状を引き起こすことが知られています。特に、無月経と乳汁分泌という症状の組み合わせは、プロラクチノーマ(下垂体腺腫)の可能性を強く示唆しています。

したがって、この問題の答えは「e. プロラクチン」になります。

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