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星川依里という名の”怪物”

こんにちは、今日是枝監督の最新作「怪物」を見に行きました。
3部構成で時間が進む毎に各パートの伏線が判明してく様子はとても練られていて観ていて面白かったです。
ですが、私は鑑賞中に震えが止まりませんでした。
そうです、麦野湊の同級生”星川依里”の魔性に震えていたのです。

星川くんってこんな子【ネタバレ注意】

星川くんは湊くんの同級生の11歳の男の子で小柄で可愛らしい子です。その見た目から男子のクラスメイトからはいじめられています。ですがその代わり女子には愛されています。


自作イラスト


父親からは「ブタの脳みそ」と罵られたり、学校でいじめられたりしていますが常に笑顔を絶やさない子でもあります。
私は1部で湊の母親が星川くんの家を訪ねるシーンを最初見た時「まるで長靴をはいたネコ」のワンコみたいな子だなと感じました。
長ネコのワンコも悲惨な生い立ちを持っていますが自身を悲観せず前向きに生きているチワワのキャラクターです。
私の星川くんのファーストインプッレッションは”ワンコ”みたいな子だなと感じました。
ですが、これは最終章で覆されます。

怒涛の第3部【ネタバレ注意】

第3部では湊くんと星川くんにスポットを当てて物語が語られます。
湊くんは星川くんと仲良くしたいのに、学校で仲良くしているといじめの標的になるので「学校では話しかけないで欲しい」と告げます。ですが、放課後は仲良く2人だけしか知らない廃電車の秘密基地で過ごします。
学校の皆んなは知らない、2人だけの時間は美しいです。その中で湊くんに話しかける星川くんの様子はまるで人間離れした神秘性と幼さでした。本当に、星川くんはそこに存在していない存在感で存在します。
そんな星川くんが湊くんに対してまるで兄弟の様に親密に接する様子が映画の中で繰り広げられていました。
湊くんに「死んだら何に生まれ変わると思う」と尋ねる姿は劇中の湊くんだけではなく劇場の観客までをも狂わせます。
いや、初見では語り尽くせないんですよ。本当の星川くんを認識するには2回以上見ないと掴めないと初見でわかりました。
ですが、本編の中の星川くんはなんだかどこか人を掴んで離さない一度ハマったら一生側で面倒を見たくなる魔力が込められていると本能で感じました。

映画「怪物」でのLGBTQの優れた描き方

映画「怪物」はテーマ性の中にLGBTQが存在します。
ですが、星川くんは性的マイノリティを感じないんですよね。彼自身の浮世離れしたキャラクターもあるんですが星川くんが湊くんを一番(唯一の)友人として接しているのかそれとも秘められた恋心があるのかそれをはっきり描かない所が優れているなと感じました。
互いに好きという感情を表に出したら第3部の廃電車のシーンは台無しになるだろうと私は考えています。
これは2人の感情は思春期直前の少年達にある友情と恋愛の区別がつかない空白の時期を上手く表現しています。
だから、星川くんはLGBTQ当事者じゃなくてまだ湊くんへの激しい友情の感情と愛情を区別できていない人物だと思います。
この様な描き方で第3部を描いた事はもっと評価されるべき箇所でもありますし、ブロマンス映画として評価してほしいですし見てほしいと感じました。

とにかく星川くんの魔性を大スクリーンで堪能してほしい

色々書きましたがとにかく映画を見に行った方が早いです。
大スクリーンで星川くんのセリフや姿を浴びる体験が人生を変えると私は信じています。
あと、この2人の二次創作は随時募集中です。っていうか今作っています。
今日見に行ったら観客があまりいなかったので是非見に行って興行成績を上げて下さい。
円盤でたら買おうか検討しています。とりあえずswitch買って起きます。


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