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Plug-in 1000 Reflections

こうくうき
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 音楽に限らず、ある時間軸に沿ってモノを組み立てていくことは、要素要素が織り成す運動の動線を、ひと連なりのものとして導き出すことだ。
 形式に反映されることで現出する心。
 モノの対応関係をみて、呼吸の出来る間を置き、輪郭を掴む。
 限定的な枠組みの中で、本来的な感覚を探る。コンピュータを手段としていると、かえって如実にそうした面が意識されるようだ。

 音楽は音符のひとつひとつに備わっているのではなく、それらの関係性と時間経過に伴い立ち表れる。連続的変化によって形を成すものであると同時に、常にその瞬間にのみ生じている感覚をロードし続け、その「場」のみの時間感覚を、木霊(こだま)のように満たす。

 モノ/運動を通して展開される時間の相。

 そこに投影される感覚世界に統一的な<像>を捉えることは、<原初的な無時間の何か>へと回帰することにつながっていく。時間の流れを超えて、ただひと触れの印象のみがあるというような…
 心は中空の中心から放たれる。
 ドーナッツの穴みたいに、本質が何も「無い」のだとしても、ゼロ地点を想定することには意味がある。方向性が生まれるからだ。
 そのベクトルが示す、シンプルな運動の中に、ひと息に収まる身の丈のスケールがある。

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