渋谷ではたらく社長の告白 を読んだ感想

サイバーエージェントの社長、藤田晋さんの自伝を読みました。めちゃめちゃエネルギッシュな半生を描く、一気に読ませる力がある本でした。

Amazon Kindleで読みました。
http://amzn.to/2fOB4w3

現在の藤田さんはやり手の起業家として知られていると思いますが、冒頭で描かれている大学2年生くらいまでの藤田さんは、控えめに言っても堕落した生活を送っているようでした。

ただ、大きな目標はしっかりと持っていて、高校の時に思った「起業家になる夢」を思い出して営業のバイトをしはじめたあたりから、徐々に頭角を現し始めます。ベンチャーの洗礼を受けて悪いことにもしつつ成果を残していきます。この頃から本の最後まで、ほぼずっと身を粉にして働いているような描写が描かれています。

一貫していると思ったのが、強い意志と自信があることです。

前者に関しては現在も企業のビジョンとして掲げている「21世紀を代表する会社を作る」という目標からも伺えます。目標に向かって努力して、その過程に喜びを感じて、どんどん自分を追い込んで実現までこぎつけてきた話は読んでいてとてもワクワクしました。無根拠な発言をして後から帳尻を合わせたり、よくしてくれた人を裏切るようなことをしたりと、険しいこともたくさんしているのですが、その根底にある強い意志に惹かれました。

自信に関しては文中からもひしひしと伝わってきました。ですが傲慢という感じは全然しなくて、自分の能力や感情を正確に捉えた上での表現だと思いました。めまぐるしい日々の中でも自分を俯瞰して考えられるていたことも今の成功に必要な優れた資質のように感じました。

バブルの話と告白は等身大の藤田さんの姿が鮮明に描かれていました。バブルが弾けて企業の努力ではどうにもならない状況の中で、悪いことをした訳ではないのに多くの人に迷惑をかけて非難されて、それでも必死に駆けずり回ってというなんとかしようという状況と心情の変化をひやひやしながら読んでいました。経済の理不尽さを感じつつも、最後には信念を貫いて成功に導く精神力の強さに感動しました。

最後に、僕は来週サイバーエージェントに新卒入社することが決まっています。自分が入る会社を作ってきた社長の半生を追体験することができ、入社がより楽しみになりました。

余談ですが、僕はエンジニアなので、サイバークリックのシステムを完成させられず、以後一切話が出てこなかった長谷川さんに感情移入して、切ない気持ちになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?