主人公になりたい
小学校3年生になり、友達が出来てくると、主人公に憧れた。人気者の主人公はいつも真ん中にいて、みんなに好かれている。そして、クラスで起きるさまざまな出来事も、人気者のおかげで丸く収まり解決する。
私はその頃、3人組で仲良くしていたがそのうちの1人が、真ん中好きだった。学校帰りの道も、写真を撮るときも、私真ん中がいい。と言って、真ん中にはいった。その頃テレビアニメの影響をうけ、真ん中にいる主人公に憧れていた私は、真ん中を意識していた。
だからと言って、私には真ん中がいい。と断言するほどの勇気はなかった。さりげなく、真ん中の位置に滑り込んでは、友達の、私真ん中がいい宣言に、真ん中の座を譲渡していた。
夏休みのある日、仲良くしていた3人組で会うことになった。おとなしめの友達の家に上がり、おしゃべりをしていると、遅くなったけど誕生日プレゼント。と言って、可愛い包み紙に包まれた誕生日プレゼントをもらった。中身は可愛いノートや、シャープペンシルだった。思いがけないプレゼントに私は喜んだ。
友達のお母さんが、現像に出したい使い捨てカメラがあるから。といい、記念写真を撮る事になった。友達は、私が真ん中になるように隣にずれた。
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