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【スピーカー・パネリストの環境編】コロナ禍で在宅ウェビナーや配信のオペレートをしこたまやったのでフィードバックする(2)

ZoomやYouTube等の配信やウェビナーでスピーカー(パネリスト)としてお話をされる方が最も気をつけるべきことは何でしょうか。

それは安定したネットワーク接続環境と、音声信号の提供です。

私はコロナ禍の緊急時事態宣言の期間中、全員在宅でのウェビナーを実施するに当たり、たくさんの方にZoom等でアクセスしてもらって配信しました。今回はその中で理解した、ウェビナーでお話をされる方にとって最も気をつけるべきことはなにかについて書きたいと思います。

音声の聞こえは参加者の満足度に影響する

ウェビナーに参加したり、配信を見る方がもっとも気になるのは音声です。

ビジネス向けの配信ではその目的にもよりますが、多くの場合お話を聞きに来ている方が多いと思います。多少映像が乱れたり、画質が悪くなることよりも、音声が途切れる、聞こえないところがあるなどの乱れが視聴者には気になります。音声がしっかり聞こえている状況下で、次に映像の乱れが気になるようになるものです。

経験上目的の話がしっかり聞けた回のほうが、参加者の満足度は高いように思います。というか、音声をきちんと届けて初めて参加者の満足度の判断基準が話の内容になります。仕事としてお話をされる場合、まずこの土壌にのることが大事ですよね。ではそのために気をつけるべきことは何でしょうか。

有線絶対の法則

という言葉が一般にあるわけではありません。私がウェビナー等を担当する際にスピーカーの方にお願いする時に言っていることです。当たり前ではありますが安定したネットワーク接続環境と、音声信号の提供の為の必須条件です。

ウェビナー等でお話をされる方が最も手っ取り早くできる対策として、

1.ネットワークにはWi-Fiではなく有線でつなぐ
2.パソコン内蔵のマイクではなく、別途有線接続のマイクを使う

の2点があると思います。

ネットワークにはWi-Fiではなく有線で

当然ながらWi-Fiよりも有線で接続したほうが通信は安定しそう、ということは共感できますよね。

今日の一般のご家庭ではインターネット回線業者から提供されたモデムやONUからWi-Fiルータ等を接続するなどして、インターネットアクセスを利用されているケースが多いと思います。

Wi-Fiルーターには2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯があります。2.4GHz帯は電波が遠くまで届きやすく壁や床などの障害物にも強いので利用されている方も多いと思いますが、2.4GHz帯は電子レンジやIHクッキングヒーター、Bluetoothなどほかの機器も利用する周波数帯ですので、干渉が起こります。つまり電波が途切れて通信ができない状況になります。逆に5GHz帯は Wi-Fi専用なので安定しますが障害物には弱いです。

参考:ELECOM 電子レンジのノイズで無線LANが遅くなるって本当!?

ウェビナーでお話される時間中、ご家族に
「電子レンジ使わないでね!」
とお願いするのも面倒ですし、在宅ワークで家族の行動を制限させるのは継続を考えるとなるべくしないほうが良いと思います。

そもそも、自宅のWi-Fiネットワーク環境で2.4GHzと5GHzのどっちを使ってますか、など誰にでも聞けることではないですよね。そのため私はスピーカーの方には「なるべく有線で接続してください」とお願いするようにしています。

パソコン内蔵のマイクではなく、有線接続の外部(外付け)マイクを使う

パソコン内蔵ではなく別のマイクであるべき理由は、なるべく声だけを拾うようにしたいためです。

最近では、ご自宅ではノートパソコンを使用されている方が多いように思います。ご利用のパソコンのどこにマイクが内蔵されているかご存知でしょうか。私が仕事で使用しているMacBook Proだと

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パソコンの内臓のマイクは、その配置からして使用者はこのあたりにいるだろうという方向に向けて集音するように作られているはずです。そのため話されている人の声以外の、その方がいる環境の音も拾ってしまいやすくなります。その結果話す声以外の不要な雑音の成分量が増えていまいますよね。

タイピングの音がうるさい人は大体これですよね。

あと、ノートパソコンの場合同じ筐体にスピーカーも配置されています。つまり、自分のパソコンに送られてきた音を自分のパソコンのマイクが拾い安い状況にあります。

Zoomなんかは自分の音はモニター(聞くことが)できないようになっていますが、もし自分の声を返していたらハウリング必至ですね。そのようなトラブルを未然に防ぐために自分の声をモニタできないような仕様になっているんだと思います。

また有線であるべき理由は、ネットワークと同じく干渉の影響を回避するためです。無線のヘッドセットマイクは多くの場合Bluetooth接続だと思いますが、Bluetoothも2.4GHzですので環境の影響を受けやすいです。一度電子レンジなどで試してみてください。意外なほどに正直に切れますよ。

でも大事なことはきちんと伝えること、コミュニケーションが取れること

もちろん、自宅に高速光回線を引き込み、高価なマイクやパソコンを買うことで音声や映像の品質は上がります。

しかし、これからWeb会議やウェビナー、ネット配信による営業活動が一般化する状況において、参加いただく一人ひとりにその環境を求めるのは現実的ではありません。個人的には仕事上のWebでのイベントにおいても、たくさんの、いろんな方面の方に参加していただけるようなものをやっていきたいと思っていますが、ネットワークや周辺機器の知識が豊富な人や、その方面にふんだんにお金を使える人ばかりではないはずです。

またコロナ禍以降、テレビのニュース等でもZoomを使った遠隔出演が増えましたよね。自分が配信オペレーションを行うようになってからは、その使い方について注意深く見たりするようになりましたが、映像や音声の乱れなどよくトラブルも目にします。放送のプロであるテレビ局の仕事においてもトラブルはあるのです。一般層のウェビナー参加者や配信視聴者も「Web経由の音声ってこんなもんだよね」という認識がされ、多少の音質劣化や途切れには寛大であるように思います。

またテレビのニュースでのZoom等を使った接続なので、あまりそこを心配しすぎるよりも、大切なのはきちんと伝えたいことが伝わることと割り切って、どんどんアウトプットすることが会社や仕事にとっては重要なんじゃないかなと思います。

ただ、わざわざアクセスしてウェビナーに参加頂いた方々や視聴していただいたに対しての誠意として、上記の有線絶対の法則の2点だけ心がけていただくようにすればよいかなと思います。

次回は

とはいえ、ちょっとしたお金をかければ解決できる問題も多いです。なので次回はテクニック編として

・私が聞いてきた中で、聞きやすいと感じたマイク
・ノイズキャンセリング

などを紹介しようと思います。


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