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旅は続くのだろう②

 数年前に社内報にエッセイを寄稿してくれと言われた。

 何人もいる職員の中で、「何で私が?」と思ったのですが、まあ、何事も挑戦だろうと思い、何度も推敲しながら書きあげた。それを一部変更して掲載します。

 サイコロの旅

 この仕事に就く前に違う職業をいろいろかじってやっていた時期がありました。そこで出会った友人は個性が強く、おもしろい人物が多いので今でもよく会い食事にいったり旅行にいったりします。
 中でもよく旅行に入っている友人が2人います。私は某ファストフード店アルバイトをしていた頃がありまして、その時期に出会いました。お互いの関係の話をすると全員年齢が異なり、一人と一人が高校時代の先輩後輩の関係、その一人と私が大学の先輩後輩という何ともおかしな関係なのです。現在はそれぞれ某大手株式会社の課長、映画関係の仕事をやっています。
 私を入れたその3人の好きなテレビ番組に「水曜どうでしょう」という番組があります。そこで「サイコロの旅」という企画をやっていたので、それを真似して、3人がアルバイトを辞めた頃から毎年夏から秋にかけて旅行に行き、ある場所に着いたり、何かあったりすることに「サイコロ」を振って、メモに「1が出たら○○」というように決めて旅行をします。このやり方で旅行をして様々な場所に行きました。
 一都六県は当たり前、中部、北陸、四国、山陰、東北など様々な場所に毎回サイコロの目に踊らされながら観光名所を周り、食事をしながら旅行をしています。
 過去の旅行で思い出に残った場面の一つで愛知県に行ったときのこと。「愛・地球博」の入口に着き、友人が出したサイコロの目に書いてあったのは「鳥羽水族館に行く」でした。もちろん、万博会場入口の目の前まで行ったのにもかかわらず鳥羽水族館に行ったのは言うまでもありません。
 また、成田に行ったときのこと、名物のうなぎを食べたいと思っていた3人が王将のチャーハンの目を出してしまい、チャーハン定食を閉店間際にさみしく食べたことがあったり、石川県の能登半島にある世界一長いベンチに座りに行ったりと様々なことがありました。
 ちなみに旅行へ行く計画も3人で事前に集まって6つの行き先の中から、サイコロを振って行き先を決めて計画をします。今年はサイコロの出目で山梨方面に行き自転車で観光名所を周る旅になってしまいました。旅の途中で3人のうちの一人が結婚する報告を聞き、足湯に入りながら残り2人でお祝いしました。
 いつまで続くかわからないこの「サイコロの旅」、出た目によって色々なことが起こるように、人生もいろいろなことがあるように生きてみたいと思う今日この頃です。

 数年前の寄稿ですが、今もまだこんな感じで旅は続いています