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かしこいバカ

たとえば、小さな会社の経営者自身や担当者、個人事業主とのやり取りの中で、この人は回りくどいことや込み入った話をされても理解できないのだな、理解する気もないのだなと気が付くことがある。

そういう人たちにはもっとシンプルに、子どもでもわかる言語で必要事項を伝えなければならない。バカにしているのではない。人にはそれぞれ違う役割や個性があって当たり前なのだ。

だからこそ、そういった人たちが苦手なことにかかわる人は、そのあたりをきちんとわかってないといけない。

仕事で某有名コンサルタント事務所の人たちと間接的に(たまに直接的に)かかわる機会がある。そういう人たちの仕事ぶりを見ていると、この人たちは勉強ができる人たちが行くような学校も出ていて頭もいいのだろうけど、残念だなと思うことがよくある。

ここまでやり取りを重ねてきても、一向に問題が解決しない。こちらの言うことが明らかに相手に響いてないとわかるにもかかわらず、あくまでも冷たい行政言葉や官僚言葉で1から10まですべて伝えきろうとする人々。

何も間違ったことを言っているわけではないのだけど、融通が利かなくて想像力も乏しい。そんな人を私は『かしこいバカ』と呼んでいる。

全体に対して多数派ではないけれど世の中に一定数いて、しかもいろんなコミュニティの中心で社会を動かしたり、重要なことを決めたりしている人々、かしこいバカ。

『かしこいことにあこがれるバカ』である私は、そんなかしこいバカたちにしょっちゅう異議申し立てをしているから、ウザがられていることだろう(笑)。

だから前川喜平さんのように、文部科学事務次官という官僚のトップにまで上り詰めながら、身分を隠して出会い系バーに行って、批判も恐れずそういうところへ出入りしている女の子たちの身の上話などを聞いて勉強していたような人は偉いなと思う。

作家である故・井上ひさしの、「むずかしいことをやわらかく、かんたんなことをふかく」という言葉は至極名言である。

※画像提供:山口県萩市に住む妹

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