久しぶりに平日、昼ごはんを外で食べたら、食後、たのしい時間になっていた話。
会社に勤めていた時の毎日の楽しみであり悩みだったのが、昼ごはんだった。
何が悩みかと言うと、「誰と、どこで、何を食べて、食後どんな時間を過ごしたいか?」だ。
会社の中にずっといることが多いから、昼ご飯はなるべく外に出て食べたい。
外に食べに行く時、じぶんから誰かに声をかけて、お昼を食べに行くことをあまりしたことがない。基本、ヒトリでどこかへ出かけてしまう。
誰かに誘われて、気が乗れば、一緒に食べに行くことはある。
たまに、普段お昼をご一緒する機会がない方とランチの約束を事前にする時は、楽しみの一つになったりすることもある。
「誰と」は、そんなに悩まずクリアできてしまうことがほとんどだ。
食べにいく時に、「どこで、何を食べるか?」
これを考えるのが楽しい一方で、悩ましい。
どこを選ぶか?は、何を食べたいか?orその場所でどんな時間を過ごしたいか?のどちらかに影響される。
例えば、インドカレーを食べたい、しかもナンで食べたいから、あの店に行こうと考えるとする。
でも、その店は回転率が早いので、食べ終わった後、あまり長居ができない(実際は、居ても良いと思うが、お店の方からプレッシャーを感じる時があるので、落ち着かない)
ぼくは、お昼の時間に、食後十分時間をとって、ぼーっとしたり、考えごとをしたり、読書をしたり、手帳に何かしらメモを書くのが好きだ。
一度お店を出てしまうと、あとは会社へ帰るだけになってしまう。途中公園によって、ベンチでゆっくりしようと思うが、いい席はだいたい他人に座られている。
人によるかもしれないが、公園ではあまりゆっくりできない。これは、じぶんの性質かもしれない。
屋内で、テーブルがあり、静かで、珈琲が飲めるところが最適だ。
カフェでお昼を食べてゆっくりした方が居心地が良いことになる。
でも、今度はだんだん近場のカフェばかりに行くようになって、食べるメニューの選択肢がだいぶ狭まってくる。会社の周りに飲食店が少なければなおさらだ。
駅前まで少し歩いていけば、お店はたくさんあるが、徒歩の往復時間でお昼休憩時間が奪われてしまう。会社がどこにあるかは、案外バカにできない。
難しく考え過ぎだよと思われるかもしれない。
平日の会社勤めの中で、お昼に何を食べて、その後どう過ごすか?
ぼくにとっては、けっこう真面目な課題であり、考える日課であった。
でも、仕事を辞めてからは、その日課から解放された。好きな時に好きなものを食べるのをじぶんで決められるからだ。
今日は、久しぶりに、転職活動の流れで、お昼前後の時間帯に渋谷にきていた。
面談を終えて、「さぁ、お昼何を食べようか?」と考えた。
和幸の「とんかつ」が食べたい。キャベツとお味噌汁のおかわりをしつつ、丁寧に一切れずつとんかつを食べることを想像したら、「早く食べたい」という衝動にかられた。ご飯は糖質制限のため、おかわりはしないことにしている。
足早に渋谷駅付近にある「和幸」に向かう。きっと、お昼時期だから、並んでるんだろうと予想していた。並んで待ってもいい。
「和幸」の看板が見えてきた。
「やった!人が並んでない、ついてる」
と思って、店の前までくると、扉が閉まっている。
「定休日」ではなく、「休業」という張り紙が貼ってある。
落胆が一気に広がった。休業の理由について、詳しく張り紙を読まなかった。
休業理由はどうでもよくて、今この「とんかつ」を食べたい気持ちをどこにぶつければいいか、困っていた。
仕方なく、しばらく適当に歩きながら、思考を整理する。
とんかつは諦めて、インドカレーにしようと決めて、行きたい店のある方へ向かった。
道中、魚の定食屋が目に入ってしまった。お店の前には、メニューのサンプルが置いてあって、とにかくサイズの大きい焼魚やら、厚切ベーコンの塊が皿に存在していた。
「このサイズとボリュームはやばいな」心の中でじぶんに問いかけていた。
結局、サンプルを前に立って、数十秒考えた結果、お腹は限界にきていたので、その定食屋に決めた。
サイズで気持ちを持っていかれていたはずだったのに、じぶんが選んだのはサイズがそんなに大きくない厚切銀鮭だった。
メニューの「厚切」というワードに負けてしまった。
定食には、お新香しかなかったので、野菜を取るために、ちんげん菜のお浸しも一緒に頼んだ。
厚切銀鮭は確かに厚切だった。美味しい。ただ塩っけが少し強かったから、あとで喉が乾くことを覚悟した。
あと、注文時の失敗したのが、ご飯の量を少なめでお願いするのを忘れたことだ。
糖質制限を普段から意識していた。最近すぐお腹いっぱいになってしまう。
ご飯を残せればいいのだが、お残しすることに抵抗があるため、結局全部食べてしまう。
案の定、いっぱいになってお腹がもたれた。
表参道に用事があったので、渋谷から表参道まで、運動がてら歩いた。
表参道の住宅街の狭い道を歩いた。
ひっそり小さくて目立たないけど、オシャレでユニークなお店がちらほらあって、目を惹かれた。店の外観を見ているだけでも、楽しい気分になった。
表参道の用事を済んだが、お腹はまだ未消化のままだった。
このまま電車に乗っても、うたた寝をしてしまいそうなので、思いつきで、表参道から新宿まで歩くことにした。
ざっくり新宿の方面に向けて、歩いてる途中、「青山霊園」に迷い込んだ。
すごく広い霊園だということを、訪れてはじめて知った。霊園内のある道路を見て少し感動した。
じぶんが立っている位置から先まで、まーすぐな一通の道路が伸びていて、壮観だった。詳しく調べてないけど、1km以上伸びていたんじゃないかな。
良い場所見つけちゃったよ。
一通の道路の周りは墓で囲まれていて、静か。夜だったら怖いけど、昼間は、妙に落ち着く。春あったかい時期になったら、良い散歩コースだ。
青山霊園を抜けて、青山通りを経由して、新宿へ向かったのだけれど、地図を確認しないでなんとなく歩いていたので、信濃町や四谷になぜか通り過ぎ、ずいぶん遠回りして、新宿に着いた。
もう15:00を回っていたので、2時間くらい歩いていたことになる。
風も強くて寒い中、よく歩いたもんだ。でも、体はぽっかぽか。幾分お腹の消化も進んで、楽になった。
会社のお昼休憩時間だったら、ちょっと味わえないお昼ご飯後の過ごし方。「いい時間」を過ごすことができた。
サポートありがとうございます。カフェでよくnote書くことが多いので、コーヒー代に使わせてもらいますね。