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嫁ブロックを乗り越えた話

2020年3月にキャディというスタートアップにジョインして3か月が経過し、晴れて試用期間を満了したので、入社時のことを振り返っておきたいと思う。当時のフレッシュな想いとかその時考えていたことが薄れてしまわないように、Day1を常に脳裏に焼き付けてこれからも生きていきたい。

大企業からスタートアップへの転職を迷っているひとにも届け。

キャディとの出会い

私がキャディを知ったのは2019年の前半(?)のNewsPicksの生地(最近”きじ”と打つと変換候補はこっちで、製造業に染まってきている。正しくは記事)で、その時は面白そうな会社があるな程度の感想だった。完全にテック系かつSaaSぽいなという印象で、この数年ずっと物流、SCM、オペレーション、データ分析で生きてきた身としては、あまり関わりなさそうだなと思ってそれほど気に留めなかった。

そして2019年の年末のある日、LinkedInのメッセージで代表の加藤からダイレクトメッセージをもらった。今思えば、オペレーション関係で検索して引っかかった人間にメッセージ打ちまくってたのかなとは思うが、思わずキャディでオペレーションができるんだと思って人事のアンディとの面談を申し込んでいた。

採用通知をもらうまでに出会った、アンディも幸松さんももちろん加藤さんも、熱意をもって製造業を変えていきたいと本気で考えていると思えたし、実際にそれをできるだけのビジョンや技術があるように見えた。

何が決め手だったのかといろいろ思い返しても結局はヒトで、キャディで出会ったヒトたちが魅力的で、この若い情熱を持った人たちと一緒に働くチャンスを逃したくないと思ったのが全てであった気がする。面接時も明らかにめちゃくちゃ忙しそうではあったが、それぞれが丁寧に現状のビジネスやそれに対する想い、社員の状態などを教えてくれて、ビジネスにかける熱意や、モノづくり産業のポテンシャルを解放するという壮大なビジョンに本気で取り組んでいるのが解った。日本のモノづくりは終わったと多くの日本人が思っている現代において、ポテンシャルを信じ日々答えを模索する、若く人間的にピュアな部分に魅了されていた。

嫁ブロック

妻は最初から乗り気ではなかった。

それもそのはずで、もともと大阪で出会って結婚して、前回の転職時、SoftBankを辞めAmazonにいくことを半ば強引に決めて、そのために関東に引っ越しまでしてついて来てくれた。その職を捨て、しかも収入も半分以下になる選択だったので、まあ当然に反対する。

彼女にしてみれば数年我慢してやっと落ち着いてきた生活がまた振り出しに戻るような感覚だったのかもしれない。内定の連絡を加藤からもらった時も、午後に電話すると言って結局日付が変わるくらいの時間に電話が鳴って、それにもたいそう腹を立てていた。

収入が変わることについて、ずっと共働きで頑張ってくれている妻に対して何の言い訳もできないので、本当に妻が最後まで首を縦に振らなかったらあきらめるしかないかなとも思っていた。Amazonみたいな大企業からスタートアップに行く不安はあったと思う。自分のしたいことじゃなくて、子どものために本当にすべきは安定した生活を維持して選択肢をたくさん渡してあげることじゃ無いのかと問われるといつも返答に困った。

加藤は内定後の面談で、「嫁ブロックくらい超えれないひとはどうせスタートアップで壁に当たったときに超えれない」と激励してくれた。それを妻に伝えるとまた怒っていた。

ラブレターを書いた

内定を受けたのが年末で、すぐに正月を迎え、ずっと妻と家で顔を合わせていたが、なかなか首を縦に振らない。あまりいつまでも決断せずにいるもの精神的にしんどいので、なんとか決着をつけようと、考えていることをメッセージに書いて妻に送ることにした。これでだめならあきらめるしかないと本気で思った。

内容は恥ずかしいので割愛するが、仕事帰りに電車の中で仕上げたラブレターを妻に送って、最後の話し合いに挑んだ。

最初に妻は今のままでいいよと言ったので、それが答えだなと思いあきらめる覚悟を決めた。

直後妻が再度口をひらき「ウソ。頑張ってきて」と言った。

笑顔だったと思うが、あきれたような表情だったかもしれない。とにかくこの笑顔を裏切らないように生きないといけない、キャディを成功させないといけないと、その時強く思ったことを覚えている。

後から妻に聞いたところ、私の性格的に「一度言い出したらきかない思ったから最初からあきらめてた。最悪」という言葉を賜った。結局のところ嫁ブロックを超えたというか、くぐり抜けたような感じでスタートアップで働くことになった。

Day1

最後に当時の気持ちを自戒するためにも妻にあてたラブレターの一部を残しておく。

”不安はある

今の環境は本当に恵まれていると思うし、それを変えることに不安が無いとは言えない。だけどそれ以上に、ビジョンを実現してモノづくり産業のポテンシャルを解放することへの期待に胸が躍る気持ちもある。子供たちが生きる未来の日本に希望を持たせられる仕事だとも思う。

そういう状態でいられる限り困難は乗り越えられると思うし、倒れてもまた立ち上がれる。もちろんひとりじゃない。同じ目標に向かって一緒に歩む人がいる。

だから僕が自分を信じられる限り、えりこにも信じて一緒に歩んで欲しいと思ってる。経済的な不安は一時のことだと約束する。

だから一緒に夢をみよう。”

振り返っても青臭くピュアな自分が恥ずかしい。

Still Day One 






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