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創業して2年経って起きたことをまとめてみた(前編~学んだこと編)

某金融機関「今も同じ事業を続けていますか?」
私「はい、変えていないです」

先週、ある金融機関の担当者と話したときの会話の一部です。

eコマース事業は2年目に約半数が廃業する」と言われており、何度も廃業する理由と向き合うことがありましたが、2021年3月3日から今に至るまで継続しています。

前編では、事業家として学んだことを一部紹介していきたいと思います。
後編では、停滞から抜け出した戦術や今後の方針について一部紹介していく予定です。

・これから起業や新規事業を本気で取り組もうと思っている方
・起業や新規事業を本気で支援しようと考えている方
・「起業」や「スタートアップ」のキラキラ感に忌避感がある方
・副業で本気で結果を残したい方
・事業が上手くいかず心が折れかけている方

このような方々にぜひご一読いただきたいと思っています。


<2年間の振り返り>

1.2021年3月~2021年11月(創業期)
きっかけは、2020年12月に横浜のWeWorkを訪れた時でした。当時は前の事業を畳んでいた中かつ資金がある程度出ていってしまった中で人生に迷っていました。横浜で創業支援コミュニティのコミュニティマネージャーをしている友人と話している中で、今のトレンド、自分の経験、小資本かつ知人だけでサプライチェーンが作れること、長期的に事業を展開する上での布石作りになることの全てが嚙み合ってSOYMIL(ソイミル)事業が生まれました。また、某大手電機メーカーのエンジニアの方が協力してくださりつつも、「絶対にやめとけ」と言われたことも何故かやろうと思う原動力になりました。

約20人に顧客候補インタビューを実施し、サービス設計をしていく中で「クラファンを実施することでテストマーケティングしていこう」と決めました。クラウドファンディングでは約600名の方からご支援を頂き、事業としてやっていこうと前のめりで進めていくことになりました。この時は、売上が立ってから「あれが無い」、「これが来るのはたぶん来週だ」「〇〇個注文が入ればキャッシングしなきゃ...」ということの連続で、今思うと本当に危なっかしいことの連続でした。

また、2021年10月には日本テレビ「news every.」にも取材され、全国デビューを一瞬だけ果たしました。テレビの影響力の大きさを今でも覚えています。


2.2021年12月~2022年8月(受難期・低迷期)
年末頃から売上がパタンとなくなりました。
新しいことをやってみる→上手くいかない→自己肯定感が下がる→良いアイディアが出ない…と完全に負のループに陥っていました。

お金が尽きてしまう恐怖の上に、人生の軸が絶えず振れており、その振れ幅が大きくなるのを感じる日々を過ごしていました。この受難の時間の中で、「原点に戻り、自分の力で壁を越え続けること」の大切さを感じました。

金策の話を一旦全て捨てて、自分が今日に至るまでどんな生き方をしていて、今後どのように生きていきたいのかを思索し、少しずつ表現するようにしました。

乗り越えなければならない壁を、真摯に、ひとつひとつ乗り越えていく。いろんなアドバイスを出してくれる偉人の本、友人や先輩方々の言葉を聴いて参考にするのはもちろん、大事ですけど、やはり最終的には、自分の力で乗り越えようと腹を括ることと行動することが重要であると考えています。

ちょうどこのタイミングで、高校の同級生に仕事を依頼することになりました。「人生を通して何をして、何を広げていきたいのか」といった想いが伝わった後に、谷から抜け出せると確信しました。


3.2022年9月~2023年2月(右肩上がり期)
9月から、「創業以来〇〇」を毎月達成しました。また、この勢いによって、単月黒字化達成だけでなく通期黒字化達成が見えてきました。

全ての業務を内製化しているため、間に合わない部分は私が担っており、梱包・発送準備、広告出稿や分析、デザイナー等への指示書作成を深夜まで行っていました。

新卒会社員時代は夜まで資格取得や財務諸表の読み方などの勉強をしていても、翌日は何ともなかったのですが睡眠時間を確保しなければ身体が持たないと思うようになってしまいました(泣)

また、この時期に「どのような目標に向かって進んでいきたいか」といった方向性を何度も考えて身近な人々に伝えてきました。向かうべき方向性を示すのはリーダーとしての役割です。ただ、アイデアを実現するためにリスクを負って最初の一歩を踏み出した個人の想いが徐々に方向性として磨かれるため、創業期に方向性や理想を磨きすぎる必要はないと考えています。


4.現在(分水嶺)
かなりニッチな市場ですが、それなりの規模の企業の競合が入ってきて売上を大きくへし折られたり、新しい問題に追われていたり、戦術の大きな変更を迫られたりと、岐路に立たされていることを常に感じています。

また、自分がどうしてもうまく処理できない分野の業務も発生し、自分の能力や業績の限界を感じるようになりました。自分の限界を感じたからこそ、「自分のプロジェクト」から「私たちのプロジェクト」として広げられるかどうかが常に問われていることを日々感じています。

購入者の方から声援を頂いたり、1ヶ月に1~2回実施しているユーザーインタビューで率直な想いを聞く機会があり、まだまだやるべきことがたくさんあるし、軸がブレなければ、新しい領域を開拓できると信じています。


<学んだこと>

1.何者にもなれない
孫正義氏、イーロン・マスク氏、ラリー・ペイジ氏、ジャック・マー氏と、世界には偉大な起業家が数多くいますが、お手本となる人物として崇拝するのはあまり有用ではないと感じました。なぜなら、他人の成功体験には再現性が無いことに気付いたからです。他人に軸を置くよりも、「俺は俺、彼らは彼ら」の自分軸で物事を考えるほうが良いかもしれません。


2.問いを深めることができるか
事業のテーマや軸というのは、人間との深い対話の営みのなかで発露するものであり、問いの深さが全てを決めると感じています。「アメリカ、欧州や中国では今〇〇が主流で」とか、「これからは、ESGやAIが」というのは、自分や周囲を一時的に説得する材料にはなるけど、トレンドに乗ったり、誰かの二番煎じを演じるたりすることは事業を興す力の根源としては本質的なものではないかもしれません。


3.情熱を持ち続けることができるか
守成は創業よりも難し」という言葉が示すように、創業よりも続けていくことの方が各段に難しいです。周囲からの反対と摩擦、競合の出現、黒字化までの長い道のりと、プレッシャーの質と量も変化しており、辞める理由を探す方が続ける理由を探すよりも簡単です。続けていく熱量があるのかを様々な場面において問われています。

4.目に見えない誰かに背中を押されている
人の話やアドバイスを聞くことがあっても、最後の最後に決断するのは自分ひとりです。その意味で孤独を受け入れなければいけませんが、結果的に顧客、取引先やチームメンバーを巻き込んで一歩進むことができたら孤立はしないと思っています。個人を主語に世界を見て、自分の内側から湧き出たアイデアの実現のために動いていけば、行動力の源泉と共鳴し合う繋がりが広がっていくだけでなく、応援してくれる人と巡り合うはずです。


1~4を見ていると、僕はずいぶんと自己中心的な人間だと思ってしまいました(笑)ただ、不確実な世界に飛び込んででも、アイディアを具現化していく過程で出てきた結論なので、数年後も同じことを考えているか、「答え合わせ」をしていきたいです。


<これからやっていきたい事>

後編でまとめているので近いうちに公開できるよう頑張ります!

(続く)


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