SOYMIL誕生ストーリー
SOYMILは、全ての人々が世界と心理的な紐帯を実感するサステナブルな社会の実現に向けて、社会的インパクトを創り出せる起業家グループになることを目指しています。また、私たちの活動は、短期的な利益を生むための活動ではなく、幸福な未来を紡ぐ方法論です。創業者の佐藤は、大手都市銀行に勤めた後、ベンチャー企業での新規事業立ち上げや中国大陸放浪の旅を経て、「Our Heritage, Our Pride」という理念にたどり着きました。「Our Heritage, Our Pride」を直訳すると、古来から未来に繋がる私たちの財産(ヘリテージ)、 私たちが誇り(プライド)に思っているものという意味があります。
4月末に、SOYMILとしての2回目の決算申告が終わったタイミングで、改めて誕生ストーリーと今後どこを目指していくかについてこの場で語っていきたいと思います。
創業のきっかけ
海外で抱く疑問、私は何者なのか?
転勤族の家庭で育った佐藤は、青森県むつ市で生まれ、広島、千葉、徳島、神奈川で育ちました。新しい土地での人や文化との出会いが好きで、自然と国外に目を向けるようになりました。そのため、高校は神奈川県でも珍しい第二外国語を学べる県立高校に進学しました。
原体験は21歳、佐藤が中国上海市に留学をしていた時です。課外時間に日本語教育ボランティアに携わる中で、首都圏で育った自分がいかに自国の文化や風習に無知だったかに気付き衝撃を受けました。その一方で、中国のみならず世界から集まる同世代は自身の宗教、文化や価値観を大切にしながら現地での生活を楽しむ様子に触れてきました。外国語を操り、国際感覚を持つグローバル人材が少ないと日本社会で嘆かれる一方で、「グローバルに活動していきたい自分が拠って立つ生き方の源泉、世界に語れる価値観とは何なのだろうか?」。佐藤の活動を決定づける、強い疑問が生まれた瞬間でした。
メガバンクで感じた葛藤
大学を卒業した佐藤は、中国やアジアでの仕事に従事したいという漠然とした想いから、大手都市銀行の三井住友銀行に入社。しかし、そこで感じたのはアップデートされない社会慣行や銀行ビジネスのあり方への疑問でした。世間体のために不本意で漫然と生きることで大きな後悔が生まれるのでは?また、目先の収益を追うために、今まで先人が築いてきた社会的資産を失っているのではないか?と強烈な違和感を持ち、3年半勤めた三井住友銀行を退職します。
約40か国・地域の旅で育んだ人生の指針
佐藤は、ベンチャー企業での新規事業立ち上げを機に中国へ移住します。中国での事業立ち上げに2年ほど従事した後に、中国大陸放浪の旅に出ることになります。内モンゴルの砂漠地帯、寧夏のシルクロード、悠然と流れる長江、社会や文化との紐帯を感じることで人を幸せに導く社会体制があれば、その逆もあるという事実と向き合ってきました。「人が、社会や文化との繋がりを実感し、幸せを追求できる社会を紡いでいく」。佐藤は生涯の使命を決意し、中国大陸放浪の旅の終わりを迎えました。
SOYMILが生まれるまで
自身の体験と世界のトレンドを組み合わせた事業で起業する
帰国後に立ち上げた事業の不発で迷っていた佐藤が、出会いに導かれ辿りついた「ボタンひと押しで無添加豆乳が作れる」という商品。牛乳よりも豆乳が好まれるアジアの国々で過ごしてきた佐藤の経験とコロナ禍で生活様式が変わろうとしている潮流が組み合わさり、新しいライフスタイルを提供できるビジネスとして構想されました。2021年3月、SOYMILが誕生します。
物売りに収斂していく中での葛藤
クラウドファンディングで多くの方々のご支援をいただき、順調なスタートダッシュを切ります。しかし、マーケティングという名のもとでの計数管理や広告運用、商品を仕入れての販売、既存の「物売り」のビジネスと同じ構造に向かっているのを感じていました。競合は値下げやポイント付与攻勢をかけており、売上は徐々に下がる一方。このままでは、文化や社会との紐帯を感じる幸福追求ではなく物販を前提とした目先の利益追求に進んでしまうと、佐藤は葛藤を感じていました。
「Our Heritage, Our Pride」の理念をもとに事業シフト
転機は、かつて自分を見失った銀行にありました。創業前に参加した三井住友銀行の現役生と卒業生が集う有志の会(SMBCベンチャー会)で、とある創業社長と出会い、深い対話をする中に打開の糸口を見出します。「物販に突き進んでいる中で感じる寂しさとつまらなさ、これは自分が情熱を燃やしたい方向とは逆に進んでいることで生まれるもの。社会的インパクトを創り出していくために自分が魂を燃やせる方向に進もう」。これが契機となり、「Our Heritage, Our Pride」の理念と向き合う時間を増やし、SOYMILの会社のありかた、事業のありかたを物販から社会的インパクトを作り出す起業家集団へ少しずつ変えていくことになりました。
SOYMILが目指す未来
社会課題をビジネスの力で解決していく
SOYMILが求めるのは短期的な利益ではなく、全ての人々が心理的な紐帯を実感するサステナブルな社会の実現。そのために私たちは「社会的インパクトを創り出せる起業家グループ」になる必要があります。政府の補助金が無ければ事業として成り立たない、担い手がいなくて事業の継続が見通せない、そんな課題のある分野に対してSOYMILは、300年後の未来にも価値が紡がれていくような持続可能なビジネスの立ち上げ、広げていくような活動を日本各地で取り組んでいます。現在は、eコマースを軸にした複数の事業立ち上げに注力しています。
300年後も輝き、社会的影響力のある事業を創造する
私たちは、5年で規模を作り出して満足するような事業ではなく、300年後も社会・文化・環境との繋がりの中で輝きを放つ商品/サービスに昇華できるか否かを事業立ち上げや継続の判断基準にしています。市販で売られている北米産の大豆で作る大豆ミートや豆乳は一見、畜産業よりも温室効果ガスの排出削減に貢献しているように思えますが、安さを求めて食品を輸入に頼る限り、輸送のために資源を費やし、為替変動リスクを抱えることになる。そして、農場を拡大するために森林を伐採するのであれば持続可能とは言えません。人々が社会・文化・自然との紐帯を感じ、何世代に渡って誇れる価値を紡いでいける事業こそがサステナブルな社会を支える基盤になり、社会課題を解決できる手段になると考えています。
生き方を取り戻すことで、抑圧的な日本を変える
会社は社会の最小単位。仕事で幸せを感じられなければ、幸せな社会なんて実現できるはずがない。SOYMILの事業を通して持続可能で幸福な社会を目指すには、幸福な働き方の追求が必要です。「こうすべき、こうあるべき」ではなく「こうしたい、こうありたい」を、人を縛り付ける規律より自由にこそ価値を置く文化を体現していきます。生き方を正面から見つめて行動すること、自分の仕事が社会・文化・環境との紐帯を感じられるかを正直に問うことを唯一の約束にしています。誰もが世界との繋がりを感じ、個人の生き方の源流に向きあうことで、情熱を燃やし、それらが社会を前に進めることの原動力となる。理想の未来を紡いでいくため、SOYMILは今も旅の途中です。
Our Heritage, Our Pride
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