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なぜコンポストか?ROOFコンポストの特徴

ROOF(ルーフ)は、「自宅ではじめる、捨てないくらし」「自然と、繋がろう」を掲げて、国産杉を使った都市型コンポストを提供しています。コンポストとは、堆肥や堆肥化を意味しており、オリジナル基材を入れた竹繊維製容器にキッチンから出る生ごみを入れると有機堆肥となり、ハーブ、野菜や観葉植物を育てることができる土を作ることができる商品・サービスです。

今回は、なぜコンポストに着目したのか?そして、どのような特徴があるのかについて紹介していきます。



1.コンポストとは?ここに着目したキッカケ

コンポストとは、英語のcompostからきており、土の養分である堆肥という意味です。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を微生物の働きを活用して発酵・分解させて堆肥を作ることを指しています。

この世界に私が足を踏み入れるきっかけになったのは、滋賀県で微生物を活かした堆肥作りを研究している方との出会いと、SOYMIL事業を進めていく中で新しい一次産業や六次産業のあり方を考える多くの方々との話が重なったことが挙げられます。

秋田の農業法人さん、オーガニックフードの卸売りを行うアルファフードスタッフさん、岐阜県のお菓子メーカー長良園さんと出会い、話し合う中で「食を通した体験は、生き方を見つめ直すことだ」と感じていました。

また、植物を介した人との繋がりを楽しんでいる祖父との対話がこのプロジェクトの原点にあります。土から作り、育て、楽しむ。競合となる商品や他国の事例を見ている中で、生き方を見つめ直すような何かを提供できると直感し、コンポストを最初のとっかかりにしていくことを決めました。


2.「自然と、繋がろう」の背景にある課題と可能性

私は、調べるのが好きなので約20の自治体のアンケート結果や調査レポートを読み解いていました。すると、以下の3点のことが分かりました。そして、この三点の要点を踏まえたサービス開発ができれば、ROOFは広がることができると確信しています。

(1)集合住宅でのコンポスト使用率は10%未満

ごみの減量化を図ることを目的として、コンポストを含めた生ごみ処理機の購入者に対して補助金の交付を行っています。しかし、集合住宅でのコンポスト使用率は10%を切っているのが現状です。千葉県船橋市で12.8%北海道札幌市で7.0%と集合住宅の割合の高い都市部でもこのような状況になっております。ディスポーザーが設置されている可能性があるかもしれませんが、ディスポーザーの設置率自体が近年伸び悩んでおり、コンポスト普及が進んでいないのはディスポーザー以上に、「マンションで土づくり」のアイディアが普及していないことが背景にあると推測しています。

コロナ禍を経て、20代から30代の世代がガーデニング・家庭菜園に興味・関心を持っている中、生ごみ処理ではなく植物のための有機堆肥作りといった文脈で訴求させることができれば、広げていける余地があるのではないかと感じています。

(2)EM容器(バケツ)使用率が28%で残りの大半は段ボール

堆肥化容器を探しにホームセンターに行くと、どうしても大きなバケツ状の容器が目立ちます。このような容器をEM容器と言い、EMはEffective Microorganisms (有用微生物群)の略語です。庭付き一戸建てでは、家庭菜園で必要となる堆肥の量が20リットル以上あるため、このようなEM容器で大量に作るニーズがあると思いますが、都市部や集合住宅ではプランターで育てることが前提となっているため、20リットルは大きすぎますね。
また、SOYMILのユーザーで堆肥作りをしている方に話を聞くと、EM容器や段ボールコンポストはおしゃれな見た目の商品がないことを嘆いていました。ベランダになじむ容器を用意できたら、普及する余地があるかもしれない!と感じました。

EM容器の事例

(3)コンポスト使用継続率は87%

どの自治体のアンケートや調査を見ても、一度堆肥化を体験したら、「また使ってみたい」と思う方が数多くいることがわかりました。堆肥化をやめる理由も、「冬は発酵の速度が遅くなった」「雪が降った」といった気候条件や「虫が湧いた」といった容器自体の課題が大半でした。そのため、一度コンポストを使って堆肥化を楽しむことができるようになれば、長いことファンになってくれるようなサービスになることが期待できます。

それだけでなく、植物の栽培には春夏秋冬や地域ごとの気候で多様性があり、コンテンツとして届けることができたら、どの季節でも楽しみながら使いづけてくれるようなサービスに育てていき、多くの方々と楽しさを分かち合えると直感しました。


3.ROOFコンポストが提供する価値

(1)不要とされるものに価値を付与する存在

ROOFで扱う機材は、人工林の杉を間伐や加工した際に生じるおがくずを原材料にしています。また、将来的にはコメのもみ殻、甜菜(砂糖大根)の搾りかすを機材に取り入れることを検討しています。これらは全て廃棄物としてお金をかけて焼却処分されています。そんな原材料を買い取ることができれば、日本の一次産業に新しい経済を生み出すことができます。

また、原材料となるお米や原産地の特産物が一緒に届くようなサービスにしていけると産地の自然、文化や人の距離が身近なものになり、知っているようで知らない日本社会の魅力を再発見できるようになります。これは単に豆知識が増えるというだけでなく、自分たちの社会の成り立ちや自身のルーツと向き合う契機になり、より多くの人々が前向きな生き方ができるようになると考えています。

千葉県北総大地の森の中にある農園の管理者の方が米殻を堆肥にしている話や、木材や農作物廃棄物をペレット(固形)状にしている業者の方からの話の中からひらめきをいただきました。

千葉の農園で廃棄される米殻を堆肥化している様子
間伐、伐採や収穫時に発生した残渣で作られたペレット

(2)生ごみを減らしてくれる存在

ROOFコンポストには約2kgから3kgの生ごみを堆肥化する能力があります。「こんなにたくさん入れて大丈夫?」と思いながらも、気づけば生ごみが跡形もなくなっています。夏場だと生ごみの気になる臭いに困ることはなくなりますね!また、夏に限らずゴミの量を減らすことできるので、廃棄物の減量化につなげることができます。

段ボールコンポストで実験した時の写真

(3)知的好奇心を満たす存在

植物を育てることは、人に癒しと新しい趣味を与えてくれるだけでなく、学びや気付きの機会を与えてくれる存在でもあります。土から作り、植物を育てることで以下のような場面でROOFが活躍してくれると考えています。

・新しい趣味を始める機会
・子どもと一緒に楽しみながら考える食育
・友人や家族へのプレゼント

少し使いたいけど、スーパーで買うと値段が張るようなパクチー、バジル、ミントやオレガノといったハーブ類や手軽に作れる苗や種も将来的にお届けしていく予定です。土から植物を作り、また循環していく。楽しめるし、学べる体験になることは間違いないですね。

出来上がった堆肥でハーブを栽培
竹繊維で作ったROOFコンポストの容器

また、ROOFでは容器にもこだわっています。間伐した竹を原材料の一部にすることでプラスチック使用量の削減に貢献しています。通気口にはフィルターを入れているので、虫の侵入も心配ありません!ベランダや自宅の一角においても違和感ないデザインで仕上がっています。


つづく

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