電車の10分間

電車に揺られ、スマホを触る。

その10分間で、何かを書こうと思う。

いつもの如く、何も思いついていない。

電車でマスクをしている人は2割くらい。

暑いからマスクなんてしたくないが、僕はマスクをしている。

大事な予定が沢山詰まっていて、体調を崩すわけにはいかないという表れだ。

この電車の中は、
「今を楽しむためにマスクを外して快適に過ごす人」
「未来のためにマスクをつけて我慢して過ごす人」で分けられるのかもしれない。

各々が、各々の気持ちで過ごし、それぞれの目的の駅で降りる。

今流行りの言葉で言うと、これもエモいなのかもしれない。

今、電車の中で赤ちゃんの鳴き声が1回響いた。

そして、静かになった。

視界には入っていないが、子供をあやす天才ママがいるに違いない。

お勤めご苦労様です。

急に暗い話になるが、僕は昔戦争系の映画を観るのが好きだった。

映画で得た知識だが、戦争中の防空壕の中や家の中で、敵兵に見つからないようにするために泣いている赤ちゃんの口をお母さんが抑え、敵兵が去ってから手を離すと、赤ちゃんが亡くなっていたということがよくあったらしい。

悪気なく自分の子供を殺してしまう母の心境というのは、考えただけで辛い。

赤ちゃんよ、ここは平和だ。
沢山泣いても平気だぞ。

お母さん、赤ちゃんが泣いてても銃を向ける人がいるわけでもないから、そんなに気を使わなくてもいいんだぞ。

この10分間、電車の中を観察して、日本の平和を感じることができた。