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No.013 Camel,Snore,a shooting star at the sand hill
過去の絵の紹介。
最初に描いた絵で、点を使って表現するという世界観が出来上がった1枚です。
24歳の時にモロッコの小さな村からラクダに乗って向かったサハラ砂漠。
初老の案内人「サリー」とは通じる言語が無かった為、お互いのコミュニケーションは歌う事だった。
サリーは民族の歌なのか、モロッコの曲なのか、もちろん内容も全く想像も出来ない歌を歌った。
それに対して俺はミスチルを歌った。
多分「未来」。理由は青空の下、ラクダに乗っている画がポカリスウェットのCMの様だとはしゃいでいたから。
俺が歌い終わるとまたサリーが歌い出す。
次は「名もなき詩」。
交互にそれを繰り返し、先の見えない砂漠をひたすら進む。
たまにあるオアシスにて小休止し、サリーは落ちている僅かな枯れ葉や枝を集めてライターで火をつけ、小さい鍋に湯を沸かした。
カップと角砂糖を出して、ミントティーを淹れてくれた。美味い。
太陽を遮る物が無い砂漠で俺はかなりダメージを負っていたらしい。
ここら辺から体調の変化を感じる。
サリーが歩幅を緩めて、ラクダの足に縄を巻く。
周りは砂丘。
砂漠のど真ん中に毛布を敷き、俺の寝床を作ってくれた。
まだ夕方だったが体調不良もあり、横になって目を閉じた。
村を出て4.5時間以上経って、体調も悪化した俺はすぐに寝てしまったらしい。
目を覚ますと、サリーの姿が見えず、体を起こして砂丘を登った。
ほんの数十分だが、体を休めて僅かに回復していた。
少し向こう、砂丘に腰掛けたサリーがいた。
同時に無限に広がる空と砂漠が目に写り、号泣した。
なんで泣いているのか分からず、両目から涙が止まらない。
俺に気づいたサリーが地平線に向かって「サハラ!サハラ!」と叫んだ。
涙は加速して溢れ、「サッハッラッ!!サッハッラーッ!!!」と一緒になって叫んだ。
360度砂漠が広がり、どこまでも空と砂だけ。
感動、と言うやつなのだろうか。
あの涙の正体は未だに不明だ。
とても気持ち良かったし、嬉しかった。
砂丘を降りて、再び砂漠を進む。
また数十分歩き、サリーが足を緩めてラクダの足に縄を巻く。
どうやらここが今日の寝床らしい。
夕飯の準備をしてくれた。
といってもまだ17時で、周りは明るい。
また枯葉や木の枝を集めてライターで今度は鍋を火にかかる。
モロッコではお馴染みの鶏肉料理、タジン。
へばっていた俺はほとんど食えず、横になった。
夜の砂漠は冷えるのか?という心配をする間も無く、またすぐ寝てしまったらしい。
ふと目を覚まし、瞼を開き切らないあの瞬間、見たこともない光が両目に飛び込んできた。
瞬間、目を見開くと、夜空の全てを無数の星が埋め尽くしているの見た。
星星星星星星星星×1,000,000。
手を伸ばしたら星をいくつか掴んでしまいそうな、星の数にもとても驚き、あまりの光景に身体中が緊張した。
とても綺麗だった。
身体中に浴びてやった。
ラクダのいびきを聴きながら、何時間も星空をみてました。
デジカメで空を撮ったけど、星は写らず。
なので、絵で描きました。
っていう絵です。
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