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No.016 美味しいビールを飲みたい

今は好んで飲めるようになったお酒も24歳位までは全然飲めなかった。
本当に飲めなかった。

ただ飲み会は参加していて、駅前チェーン店へよく出かけた。

最初に飲みきれないビールを頼んだ後はカフェオレに似たカルアミルク。カルアミルクは決して弱い酒じゃ無いらしいが、何故だかそれは喉を通った。あとはソフトドリンク。
お酒はダメだったけど、飲み会には参加していた。
そんな自分がお酒を好きになった瞬間を覚えている。

バックパックで色んな国に行った24歳。
その時に少しでも地元の人と交流出来る様に、1人でもビールを頼むようにしていた。
でも、美味いって感じるにはまだ遠かった。ただ、それを繰り返してたから乾杯の一杯位は飲めるようになっていたから人間は慣れていくものだ。

そして遂に「美味い」を経験する事になる。

帰国して以前の郵便配達のバイトに戻った。スーパーカブに乗って。
8月の真夏日、暑過ぎて水3リットル位余裕で飲んでたんじゃ無いかって日。そんなデタラメに暑い日の夜、隣の町までバスケしに行った。仲間達とクソ暑い体育館で2時間全力でバスケに興じる。
その日は飲み会が企画されていて、飲みに行く前に銭湯へ行き、汗を流した。風呂も好きな俺は、露天風呂やサウナをしっかりと堪能した。
あがると今まではコーヒー牛乳を飲んでいたが、ふとビールを飲みたいと感じた。
銭湯にある簡易的なお食事処に入って、俺は中ジョッキを注文した。
自発的に初めてビールを頼んだ。

運ばれて来たビールは今までと違い、口をつけるなり一気に飲み干した。
喉を鳴らしてゴクゴク飲むたび感動的な美味さが駆け巡る。
それがずっと続くものだから、気づけばジョッキは空になっていた。

美味い。

美味すぎて涙が出た。両目から。

これがビールの美味さを知った瞬間だったのだと思う。

真夏の暑さ、仕事への姿勢、心身の充実等の条件があの日は揃っていた。

美味いビールは自分で作るもの。

ビールが美味くなるように色々やってこうと思います。

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