誰かの日常、私の知らない日常



ひさしぶりの東京

コロナが流行る前までは私のフィールドだった東京

大学生活という青春を送った東京

もう来ることはないと思っていた東京


私は通学路を歩いた

1度だけラジオ番組表を求めて入った通りの本屋は跡形もなく消えているし

私の知らないオシャレなケバブのお店は賑わっているし

ずっと工事中だった空白にはエントランス付きの高級マンションが描かれているし

記憶にも残らない誰かの家はまた敷き詰めた街並みの空白と化しているし

ボロボロだったお寺の公園は子どもたちの好きそうな綺麗な色で塗り固められている



そんなの日常、誰かの日常、でも私の知らない日常



東京のスピードは速い

でも私の適応力も早い

朝、駅から出たときには戸惑ってたのに

帰る頃にはさも自分がその一員であるように振る舞っている


あの頃の"楽しさ"を今持ってきても、受け止められる私ではない

にもかかわらず私の身体はあの忙しさからくる張り詰めた"楽しさ"を欲する

地元にいたときの私はどんどん消されていって

それでも東京の人にはなりきれなくて

そんな私に関心もなく大衆は満員電車で押し固める



そんなの日常、誰かの日常、でも私の知らない日常



むしろこの町並みが残されているのは

私が過去を思い出すのに必要だという

ただそれだけのために残されているよう


あの張り詰めた、"楽しかった"あの頃を学友と語り合う

ずっと変わらず通るものの食欲を掻き立てるパン屋さんの香り

立ち食いそば二枚盛りを食べるスピードは相変わらず3分半だった

ちょっとだけ私は安心する


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