Mendelssohn Op.63 Nr.6 (#045)

今回は”chen”と”lein”についてお話ししたいと思います。歌曲の話なのか?ドイツ語の話なの?って思われるかもしれませんが、その辺はあまり気にせずお読みいただければと思います。

まずこの”chen”と”lein”は意味自体はありません。訳をする際に”〜ちゃん”と訳すのが一番適当かと思います。”〜ちゃん”は名前に”かおるちゃん”や”はるなちゃん”みたいな感じで付ける、愛称の様なもので、幼児語と言うと言い過ぎになってしまいますが、”わんちゃん”、”ウサギちゃん”の様につけることも可能です。そんなニュアンスの”接尾語”です。

今回の詩ではこの”chen”と”lein”が頻繁に出てきます。題名の”Maiglöckchen und die Blümelein”にはスズランちゃんとお花ちゃん達の様に。

***

Maiglöckchen läutet in dem Tal,
Ihr lieben Blümelein!

Die Blümchen blau und gelb und weiß,
Und Veilchen sind dabei.

Maiglöckchen spielt zum Tanz im Nu

Maiglöckchen spielt zum Tanz nicht mehr,
Fort sind die Blümelein.

Maiglöckchen zu den Frühlingsfest

Maiglöckchen ruft auch mich:
Die Blümchen geh'n zum Tanz hinaus,

***

この”chen”は日本語の”ちゃん”と思っていただいて問題ないです。ドイツ人の子供の名前の後ろに ”chen”を付けて呼ぶことは良くあることで、また大人の女性の名前の後に付けて呼ぶこともあります。でも成人男性に付けることは少ないです。(付ける事は可能)ようは愛情を持って呼びかけている感じだと思って頂ければ良いかと思います。その延長で、”ちっちゃいもの”、”可愛らしいもの”にも多く利用されます。”Finger:指”、”Fingerchen:ちっちゃな指”みたいな使い方。まあどんな物で”かわいい”、”可愛らしい”とされるものに付けることができる言葉で、意味自体はあんまりありません。

また”lein”も同様なのですが、あまり名称には付ける事は少ないかと思います。どちらかと言うとやや抽象的な意味合いを持つ物を可愛らしく表現したい際につける感じです。”Frau:女性”、”Fräulein:少女”みたいな形で表現することもあります。

発音する際に注意する事は”chen”, ”lein”の付いた言葉は単純に2つに分離出来ると考えて良いと思います。”chen”と”lein”は接尾語なので前にある言葉プラス”chen”もしくは”lein”なので、練習の際、前に付く言葉と”chen”もしくは”lein”を分けて発音するように練習するようにしてみて下さい。

因みに”Märchen:メルヒェン”ですがこれは接尾語ではなく一語なので分ける事は出来ませんが、こちらも練習する際には”Mär / chen”のように分けて練習すると良いと思います。余談でした。

Kohei S.

参考資料
Mendelssohn 6 Duets, Op.63
https://imslp.org/wiki/6_Duets%2C_Op.63_(Mendelssohn%2C_Felix)

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