Mendelssohn Op.63 Nr.6 (#046)

この楽しく可愛らしい詩は単純に内容だけでないと思います。音楽的にテンポも快活ではありますが、やはりテキスト自体がリズミカルである事を知って頂きたく思います。

今回注目して頂きたい点は”韻”です。以前にも韻についてみる機会がありましたが、今回の作品は徹底して韻を踏んでいます。一節毎に韻を踏んでいる言葉のみ挙げてみますので、一度ご自身でもチェックして見て下さい。

Tal, fein, allzumal, Blümelein

weiß, herbei, Ehrenpreis, dabei

Nu, dann, zu, dran

sehr, hinein, mehr, Blümelein

verläßt, schnell, Frühlingsfest, hell

Haus, auch mich, hinaus, auch ich

如何でしょうか?一節毎に綺麗に韻を踏んでるのが良く分かりますよね。五節目の“äßt“ と“est“ は見た目が違うので勘違いしやすいかと思いますし、六節目の”auch mich” と”auch ich” も”auch“ から韻を踏んでる事を見落としてしまうかと思うのでよくチェックして見て下さい。

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更に今回の詩では多数”und”と言う言葉が使われています。並列の助詞の「〜と〜」意味や、接続的な意味を持っています。並列で繋がれている文を挙げてみます。

Maiglöckchen und die Blümelein

hell und fein

blau und gelb und weiß

Vergißmeinnicht und Ehrenpreis und Veilchen

これ以外の”und” の箇所は接続的なものです。並列で繋がれた箇所はリズミカルな表現の一つと考えることが出来ると思います。

”韻”と”und”の二つの効果とメンデルスゾーンの音楽によってとても弾みのある生き生きとした作品になっていると思います。皆さんも一度その辺りの事を踏まえて読む練習をして見て下さい。

Kohei S.

参考資料
Mendelssohn 6 Duets, Op.63
https://imslp.org/wiki/6_Duets%2C_Op.63_(Mendelssohn%2C_Felix)

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