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【美術館豆知識】大阪中之島美術館に常設展はない

こんにちはアート王子です!
今日は大阪中之島美術館が常設展示をしないことについてお話しします。

X(Twitter)で「大阪中之島美術館では常設展示をしていない!」という不満に近い投稿を見かけたので僕なりのアンサーです。
先に申し上げておりますが、僕は大阪中之島美術館に何の利害関係もなければ、株主でもありません。ただの痛ファンです。
(↓こんな記事を書いちゃう痛いファン)

大阪中之島美術館は常設展示をしない

結論、大阪中之島美術館は常設展示をしません、今後もする予定はないでしょう。

というのも、エビデンス(証拠)を示せないのが歯がゆいのですが、「佐伯祐三」展(「佐伯祐三 自画像としての風景」2013.4.15-2013.6.25)のイベントで大阪中之島美術館館長の菅谷さんの講演会がありまして、参加者からの質問に「今後、佐伯祐三などの大阪中之島美術館所蔵作品をいつでも見ることのできる"常設展"は実現しますか?」との質問に「日本における常設展はどこか企画展を見ると"無料で見れる"見方をされるので可能性は低いです」というようなニュアンスで回答しておられました(細かな発言までは覚えていませんが…)

というわけで、少なくとも菅谷館長が在任している限りは常設展は実現しないと思います。
しかし、それには理由があると僕は考えます。

大阪中之島美術館は半官半民

というのも、大阪中之島美術館は「株式会社大阪中之島ミュージアム」という民間企業が運営している営利団体なんですね。

大阪中之島美術館は他の国立や市立美術館や私営美術館と違い特殊な運営をしています。

運営は公設民営の「PFIコンセッション方式」という、国内の美術館や博物館では初めての手法をとった。建物やコレクションは、大阪市がつくった独立行政法人「大阪市博物館機構」が所有し、運営は朝日新聞グループの株式会社「大阪中之島ミュージアム」が担う。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR8G5453R6YPLFA00J.html

つまり、建物や所蔵作品は大阪市のもの。運営は株式会社が行うという、半官半民なのです。

株主がいる以上利益を出し続けないといけない

株式会社が運営している以上、利益を出し続けないといけませんが、何億もするような絵画を買ったり、保管したりするのには1会社が行うのは難しいと予想できますし、大きい買い物(投資)をする時は税金を投入すべきだと思います。

「市がお金を出している以上、絵は市民のものだ!いつでも見れるように(常設展示)しろ!」という意見はごもっともだと思いますが、大阪中之島美術館については、営利企業の側面がある以上、利益を出し続ける必要があります。

むしろ採算の合わない(管理費や美術館スタッフの人件費を考えるとマイナス)税金を消費するような国立や県立、市立の常設展よりよっぽど健全じゃないかなと私は思います。

また、自社所蔵(あえてこう呼ばせてもらいます)のみの展示では限界があるので、企画展を買って入場者数を増やすという戦略もあるんじゃないかなと思ったりします!

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