エチオピアの成り上がりムスリム社長の元で働いて学んだこと その4

その4 新規事業への取り組み

僕がエチオピアで働いていた会社は、主にコーヒーなどの輸出がメインだったのですが、新規事業として畜産業を始めることになったタイミングでした。

この話の中で、いろいろとエチオピアのビジネス事情に関して参考になるネタがある気がするので何回かに分けて書いていきます。

2014年ころの話です。

まずは社会背景から、エチオピアでは人口と所得の増大から食肉需要が伸びており、また周辺国への輸出品としても政府が畜産業の産業育成を推進していました。

それまでの畜産は、地方に住む遊牧民が週末の地元市場(毎週土曜とか日曜とか定期的に開催されている。)で販売した家畜(ヤギ、ラクダ、ヒツジ、牛など)をトラックをもつ業者が購入し、町へ持って行きそこの市場で売るというような、物流的なことがほとんどだったのではないかと思います。

また、その延長で家畜がソマリア等を経由して国外へ輸出されるものに関してきちんと課税できていないという課題もありました。(イスラム教のお祝いの際に食べられる家畜は生きた状態で持っていく必要があるため、加工等されず国境線を通りそのまま販売されることが多かったようです。この違法輸出される家畜の被害額はかなり大きな金額だったのですが、いくらだったか失念しました。。)

そのような状況であったので、アディスアベバ近郊で地方から買ってきた家畜を太らせ、より高い金額で売れるようにすることや、食肉加工場ビジネスに関して国や地方政府(オロミヤ州)から推進されていました。(以前にも書いた太らせるための飼料栽培も)

もちろん、このようなビジネスをすでにエチオピア財界1の金持ちの方は、やっており、ボスも機会をうかがっていたようです。

そんな時に、アディスから南へ180kmほどの場所(首都からの高速も途中まで整備され、ディレダワ港への鉄道の駅も近い)で5haほどの土地を手に入れることになります。
その周辺では、すでに現地法人、外国人資本家による法人含め同じような畜産業が開始されていました。

そもそもそこは、欧米の会社が事業ライセンスを取得し、地方政府(オロミヤ州)から土地を取得した場所でした。が、土地取得後1-2年たっても事業開始していないので地方政府が取り上げ、それをインドの会社が取得、近隣住民との調整をあまりしないまま現地に生えていた家畜等の日陰になるアカシアの木をすべて伐採したが、また具体的な事業が拡大しないため、土地を取り上げたという土地でした。そこをオロミヤ州政府からオロミヤ人であり、オロミヤ国際銀行の大株主でもあり、コネのあったボスが取得したという経緯でした。

土地を取得したのはよかったのですが、もちろん畜産業に関する知見はなくどう始めようか?というところから始まります。

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