他人にとっては些細な、しかし僕にとっては偉大な
朝、体が動く。
前もって示し合わせたようにはっきりと目が醒め、布団から抜け出る。
昨日は鉛のようだった手足が羽のように軽い。
午前3時まで飲み明かした宿酔を水で流す。
コップに並々と1杯。
さらにもう1杯、常備薬を流し込む。
スウェットとトレーナーを着込み、家の外に出る。
この団地は広い。
高度成長時代の名残、L字型の躯体は50年を超え、同じく年季の入った管理人がそこかしこを手入れしている。
竹箒の音。
この団地と年月を共にしたであろう、住人たちの世間話。
からりとした青空