憧れのジャズ喫茶。

1月分の記事を無事に納品。

今回は本当にぎりぎりまで、じたばたと記事に手を加えての納品になった。

ほっと一息。


安心したところで、ふと

「あのジャズ喫茶は、どうしてるだろう?」と頭に浮かんだ。

20代のころ、一人きりでどきどきしながら通ったジャズバー。



お喋り禁止だと知っていたから

文庫本を1冊持って

少し肩を固くしながら

全身を重く包み込む響くジャズを聴きながら

すみっこで本を読んでいた。


曲間のまっしろな時間も

小さなコーヒーカップをソーサーに置く音がカチンと

ひとつ、聞こえただけだった。


「あの老舗ならきっと大丈夫」と思って

なんとなく検索もしていなかったんだ。


でも、2019年の夏に閉店してしまっていた。

コロナの影響を受けてということではなかったみたいだけれど

やっぱり、寂しい。



もう一店、ときどき通ったジャズバーも調べてみたら、そちらは2020年末に閉店していた。

スカイツリーが空に浮かぶようなとびきりの景観のお店だったから、きっと本当に苦労を重ねられた2020年だったんだろうなと思う。


「ありがとうございました」も「お疲れ様でした」も、伝えに行けなかった。



ご近所の「いつか行ってみよう」と思っていたお店も、気が付いてみればテナント募集の張り紙が貼られて、中はがらんとしている。



私にとっては憧れのお店で

誰かにとっては馴染みのお店で

マスターにとっては、きっとかけがえのないお店で。



もう「ありがとうが言えなかった」なんて

後悔することがないように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?