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実践し続けられるためのサポート

「知識」や「技術」を身につけてもらうことはもちろん大切ですが、それだけではなくスタッフが実際に実践し続けられるようにサポートすることも必要不可欠となります。

人はどうしてある行動を繰り返したり、やめたりするのでしょう?これを論理的に説明してくれるのが、人間の行動原理に基づく「ABCモデル」という概念です。

ABCモデルは3つの要素から成っています。



A:先行条件(Antecedent)・・・行動の直前の環境     
 ↓                                                                                                  
B:行動(Behavior)・・・行動・発言・ふるまい                          
 ↓                                   
C:(Consequence)・・・行動した直後に起きた環境の変化  

先行条件(A)によって行動(B)が引き起こされたとき、得られた結果(C)が望ましいものであれば、それが(A)に影響を与えるので、再び行動(B)が引き起こされます。

つまり、行動によってよい結果(C)が得られれば、その行動(B)は繰り返され、一方、結果(C)が望ましいものでなければ、人はその行動(B)をしなくなります。

人は何かの行動によって直後に望ましい結果が得られると、再び同じ行動を繰り返そうとします。
ですから、スタッフに実践し続けてほしい行動があるなら叱咤激励するより、このABCの因果関係をコントロールするほうが、はるかに効果的です。

望ましい結果が得られれば人はその行動を再び繰り返す・・・ということはわかりました。

が、時に続かなくなるのは何故か?

例えば、お腹を凹ますために腹筋運動をするという「行動」の場合、思い立って腹筋50回行っても当然ながらお腹がスッキリするわけはなく、腹筋が痛い苦しいという望ましくない結果だけが起こります。

毎日腹筋を続ければいずれお腹は凹みますが、すぐにいい結果が得られるわけではないので続かなくなるのです。

そこで「行動」の直後に「望ましい結果」、すなわち『ご褒美』を与えるというのが行動科学マネジメントの考え方なのです。

これは現在の私の話なのですが、筋トレ(決まったメニューを3セット)を1カ月続けたら友達が焼き肉を奢ってくれるという『ご褒美』があるので普段より続けられる可能性が飛躍的に高まっています。(ここ笑っちゃだめですよ)

このように何かの「行動」に対して『ご褒美』を与えることを、行動科学の世界では『強化』と呼び、『強化』することによって「行動」の頻度が増えることは数多くの実験により立証されています。

では、ビジネスマンにとっての最高のご褒美『強化』は何でしょうか?答えは「上司から褒められること」「上司から認められること」です。

褒めるという行為は決して難しいものではありません。なぜなら目的は、部下の「望ましい行動」に「褒める」というご褒美を与えて、その行動を繰り返すようにサポートすることだからです。

褒める対象は「行動」。部下の人間性や外見を褒めるのとは違い、実行した「行動」について「ちゃんとできてるな」と認めてあげるだけです。


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