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この社説が気になる(2024.7.31)

パリ五輪の結果を受けた言及も見られるきょうの社説。
その一方、国に関わる問題で2点、重なるものがあった。
まず一つは自衛隊で明らかになってきている不祥事、およびそれに関して開かれた国会の閉会中審査。読売と朝日が触れている。批判の向け先を自衛隊および防衛相に向けるか、閣僚に向けるか、両紙の書き方の違いに注目したい。
もう一点は国の財政見通しへの言及。朝日と毎日が重なっている。今日はこの二本に注目する。
財政健全化や財政規律を前提にした社説の展開は、反権力の両紙だけではなく新聞各紙の傾向。ムダな支出(歳出)を増やしてはならない、という思いは同意できるが、税収が増えている現状に対して、いつまでも続くものではない、と水をかけるのは、個人消費をはじめとして十分に温まっていない経済を冷やす影響がある点も考えておきたい。
財政見通しに言及した社説
[抜粋]そもそも今の予算編成の手法は、中長期で財政の持続性を保つ視点が薄い。概算要求基準の対象は当初予算だけで、継続的な事業を補正予算に回すことが常態化している。補正も含めた通年や数年単位で歳出に一定のたがをはめ、その中で配分を適切に見直す仕組みを考えるべきだ。↓

[抜粋]日銀がマイナス金利政策を解除し、国債の利払い費の増加は避けられない情勢だ。既に1200兆円超に積み上がった債務の拡大に歯止めを掛けなければ、将来世代へのつけが重くなる。↓

自衛隊不祥事に言及した社説
[抜粋]今回、処分を担当した背広組の幹部は、事務方トップの次官には逮捕事実を伝えていた。12日の発表前には、木原氏とも打ち合わせを行っていたが、「十分な時間がとれなかったため」、逮捕については報告しなかったという。
だが、処分に関して打ち合わせていた以上、「時間がなかった」という言い訳は成り立たない。↓

[抜粋]木原氏は野党の辞任要求をつっぱね、「長年のウミが出てきている。今、仕事を放棄することが、責任の取り方とは思えない」と述べた。隊員の意識改革や組織文化の見直しを含め、改革の実をあげられなければ、進退が問われるのは当然だろう。自衛隊の最高指揮官である岸田首相も、ひとごとではすまされない。↓

その他の各紙の社説
[抜粋]日本にとっては、日本製鉄によるUSスチール買収の行方も気になる。トランプ氏は明確に反対を表明している。バイデン氏の撤退で民主党の新たな大統領候補に固まったハリス副大統領には、冷静な対応を求めたい。↓

[抜粋]腎障害などの原因と疑われている青カビの付着について製造現場は早い段階から認識していた。にもかかわらず報告を受けた品質管理の担当者は放置した。適切に対処していれば健康被害は防げたかもしれない。言語道断である。↓

[抜粋]困難に打ち勝つ努力と、失敗しても諦めない精神力。選手たちの姿は、大きな感動と共に、今の日本に大切なものを、見る者の胸に伝えてくれている。↓

[抜粋]振る舞いも立派だった。橋本の最後の演技に会場が興奮の頂に達すると、中国の最終演技者のために橋本は観客席に向かって静寂を求めた。
銀に終わった中国チームも表彰式では、「君が代」演奏の間、記念品を下に置き、直立して国旗に正対した。今後も大会では個人総合、種目別で日中の直接対決の場面が続く。こうした良好なライバル関係が競技全体を向上させる。これが五輪の理想の姿といえる。↓

[抜粋]読解力不足の背景として、スマートフォンなどの普及で子供たちが短文や絵文字に慣れる一方、活字の長文に親しむ機会が少なくなっていることが考えられる。学力テストと同時に実施されたアンケートでは、スマホでのSNS利用や動画視聴などの時間が長いほど、平均正答率が低くなる傾向もみられた。↓

[抜粋]脅威に対応することは肝要だが、抑止力一辺倒では大国の思惑に振り回され、地域の緊張を高める恐れがある。中国を含め周辺国と対話を重ね、信頼醸成を図ることが欠かせない。↓


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