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この社説が気になる(2024.8.31)

毎日が一本の掲載となり、5紙9本の社説が並んだ。

前日開かれた、兵庫県知事の百条委員会での尋問に読売と産経が触れた。委員会がどう結論付けるかは、しばらく時間が必要になるが、疑惑を持たれた時点で知事に対する不信は高まっているのではないかと思う。

自民党に所属していた議員の略式起訴に関する話題に、前日の読売と日経に続き朝日が言及。単独の話題ではなく、自民党総裁選に結び付け、裏金問題のけじめがついていない、と噛みついた。

注目するのは、開通から一年たった宇都宮のLRTに言及した朝日の一本。

車の普及とともに姿を消していった路面電車。環境負荷が小さく低床式の次世代型路面電車(LRT)の登場により世界的に復権した。日本では富山が有名だろうか。

宇都宮では、LRT開通に伴い、渋滞地点の交通量が減少するなどの効果がある一方、拠点停留所から他の交通機関へ乗り継ぐ、という動きはまだ増えていない、という。人の行動は一朝一夕に変わるものではない。引き続き経過を見守りたい。

高齢化はこれからも進む。クルマの操作誤りや高速道路逆走などによる事項を背景に、高齢者の運転免許返上を求める声は大きい。免許を返上する代わりの足として、LRTは選択肢の一つになる。

一方で、人口減少を背景に地方の公共交通機関は事業の継続が困難になり、路線や便数が減ったり、中には事業から撤退する例も聞く。今後の地方の交通の動きに注目していきたい。

[抜粋]市民の理解を得るには、現路線で公共交通のネットワーク化を成功させ、LRT効果が沿線だけでなく、周辺にも広がるようにする必要がある。そこまで進めば、車がなくても持続できる街を目指す全国の自治体のモデルケースとなることができるだろう。↓

その他の各紙の社説
[抜粋]全てがパワハラに該当するかどうかはともかく、多くの職員が知事に不信感を持っていることは確かだろう。この状況で県政の円滑な運営を期待するのは難しい。↓

[抜粋]斎藤氏の百条委での答弁では疑惑が解消したとは言い難い。公益通報に基づく調査の最中に県幹部の処分を行ったことについては「誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書で、懲戒処分に該当する行為があった」と述べ、適切だったとの考えを改めて示した。公益通報者を守れず死に至らしめた責任は重い。↓

[抜粋]2012年の衆院選で自民党が勝利して以来、旧民主党とその流れをくむ野党は国政選挙で8連敗を喫した。政府・与党に強い逆風が吹いても支持を取り戻せない原因を真剣に議論すべきだ。経済財政や外交・安全保障での建設的な提案を通じ、政権担当能力を証明するような戦いを期待したい。↓

[抜粋]自民党が本当に不信を解消したいのなら、疑惑にふたをしたまま先に進むのではなく、調査をやり直すとともに、国会の政治倫理審査会での弁明に応じなかった73人に、最低限の説明責任を果たさせることが出発点だろう。↓

[抜粋]稲作は利益の確保が難しい米価を背景に農家が減り続けている。足元のコメ不足で新米は高値がつく傾向があるが、行き過ぎれば消費の足を引っ張りかねない。水田の集約などを通し、効率を高めて値ごろ感を追求してほしい。↓

[抜粋]中国の横暴を抑止するには、日米豪や東南アジア諸国が連携して対応することが欠かせない。軍事演習や海上保安機関の共同訓練を拡充し、対処能力を高めたい。↓

[抜粋]急激な移民流入に悩むのはドイツやフランスも同じで、両国では反移民の政治勢力が台頭している。独西部では23日、祭典会場が刃物を持った男に襲われ、3人が死亡した。逮捕されたのはシリア国籍の移民で、主要野党がシリアなどからの移民受け入れ停止を求めている。↓

[抜粋]ネットには玉石混交の情報が飛び交う。情報を取捨選択する能力を育むリテラシー教育など、時代に応じた主権者教育の充実を政府には求めたい。↓


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