父を見送る ~ その3 京都への納骨 ~

5月に亡くなった父は、生前、思えば18年も前に自分が入る墓を決めて契約していた。

埼玉県で生まれ育ち、途中3年くらいだけ群馬県に単身赴任しただけの父が、骨になって眠る地に選んだのは京都。ちょうど私の大阪勤務が長くなって「こいつは埼玉には帰ってこない」ことも考慮してのことらしい。頭が下がる。

9月の3連休に、その墓に父の骨を納めに行った。

これまで、父の遺骨は壺に入れられており、その状態で京都まで運んだ。
地域による習わしの違いか、京都のお寺に着いた後、墓の契約、納骨で仲介してくれた石屋さんに引き継ぐと、壺から袋に移された。(このあたりの習わしの地域差、ちょっとチェックしてみよう。)

30分ほどで一連の儀は終わった。
これまで、先祖代々の魂を入れていた墓、とうとう具体的に参る相手ができることとなった。引き続き、折に触れてこのお寺に伺うことにする。

遺骨を墓に入れる法要の際、お供えとしてビールと菓子を用意し、実家から持参した。
法要の後、それらは持ち帰ることとなり、私が持ち帰った。

一人静かに開けたビールは、父とかわす最後の盃となった。

納骨が終わったことで「ようやく一区切りかな」と母と言葉を交わした。
ホッと一息つけるのと併せて、一人家族がいなくなった悲しみが込み上げてくるのも、もしかしたらこれからかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?