無痛分娩レポ


【概要】
妊娠39週で陣痛誘発剤を使った計画分娩を行う予定だったが、38週1日でいきなり陣痛がきたため、急遽分娩に移行。

子宮口がすでに1.5センチ開いてたうえ、自然な陣痛があったので、バルーンや陣痛促進剤を使わなくてもスムーズにお産が進んで結果オーライ。

出産までの所要時間は本陣痛が来てから19時間ほど。そのうち8割は強い痛みを感じずに済み、余裕のある出産だった。ただし、麻酔の副作用はそれなりにキツかった。

【経過】

2022年2月28日(月)

8:00
朝起きてトイレに行ったら、ほんの少量だけ茶色っぽい血が出ていた。いわゆるおしるし。その他の兆候は特になく、「もしかしたら3/10の計画分娩日を待たずに出てくるかもな〜」などと気楽に構える。

8:30
日課の朝風呂に入っていたら、13分〜4分間隔で生理痛のような腹痛。余裕で耐えられるし、どうせ前駆陣痛(出産に向けた子宮の準備運動的なもの。陣痛と違って張りの間隔が不規則)だろうと思い、特に気にしなかった。

11:00
朝からの腹痛がだんだん強くなる。5〜6分間隔で波が来るイメージ。耐えられるレベルではあるが痛いし、張りの間隔が規則的になってきたので、念のため産科を受診。

13:30
産院でNST(機械を使って子宮の張り・陣痛の波を記録する)をしたらなぜか痛みが遠のき、5分間隔だった波がバラバラに。

主治医には「子宮口が1.5センチ開いてるけど、まだ前駆陣痛かな。今から入院しても、いつ本陣痛が来るかわからないし来ないかもしれない。促進剤とか使ってお産を進めてもいいし、一度帰ってもいいし好きにしてね」と言われる。出産前にどうしても焼肉が食べたかったので、迷わず帰宅した。

16:00
おうち焼肉用に肉を買う間も、不規則にお腹が痛い。トイレに行くと、やはり茶色い血が出てる。

17:00
焼肉中もお腹が痛くて、だんだん痛みで震え始めた。波が5〜6分間隔と規則的になったので産院に連絡すると、再度来るように言われた。焼肉食べられてよかった。

18:30
産院到着。立ち会い予定の夫とともにLDR(陣痛〜出産〜出産直後までいられる部屋)に。子宮口の開きは1.5センチで昼と変わりなしだが、痛みの間隔は4分でやはり本陣痛っぽい。そのまま入院へ。

そこから2時間、麻酔を打てる医師が到着するまで耐える。NSTで見る張りの値はMAX115くらいと強めだけど(出産直前で200くらいらしい)、耐えられなくはない痛み。痛みのレベルは10段階で表すなら4(安静にしていても強い痛みを感じる)くらい。血圧を測り、陣痛促進剤等の投与が必要になったときのために手首に点滴の管を通す。

20:30
医師到着。麻酔科ではなく産婦人科の先生らしく、看護師さんに「これどうやるんだっけ?」等聞く声が聞こえる。ちょっと待ってよ怖すぎる…背中に管通されるのに…不安…。

体を横向きにされ、カブトムシの幼虫のように丸まった状態で背中に局所麻酔を打つ。麻酔が効いてきたら背骨付近に管を入れられる。あまり痛くないけど、なにせ医師が信頼できないので怖い。そして陣痛の合間にカブトムシポーズはキツい。腹を圧迫したくない。恐怖と陣痛のつらさで全身に冷や汗。

21:00
テストのために麻酔を微量入れて15〜20分くらい経った頃、お腹の上部と左側の痛みがスッと消える。保冷剤を当てても冷たさを感じない。

が、股(おそらく子宮口)と右腹部は痛みレベル4で痛い!効き方にムラがある?麻酔の液を行き渡らせるため、寝転がったまま右半身を下にする体勢に変更。痛み変わらず。

21:30
右半身を下にしたまま麻酔を追加。じわじわ効いて、右腹部の痛みもなくなる。NSTで見てわかる陣痛の波が来ても、お腹には何も感じない。股は相変わらず痛い。

22:00
寒気がして、熱を計ると37.3℃。まだ進まなさそうなので寝てていいよと言われ消灯。お腹は全く痛くないが、股が痛い。20分ごとに自分でボタンを押して麻酔を追加できるので、ちょこちょこ追加。

22:30
麻酔の副作用で全身が痒くなり、夫に足の裏を掻いてもらう。妊娠中は足の裏を触らせると嫌がられたのに、このときばかりはすんなり掻いてくれた。

2022年3月1日(火)

0:00
相変わらず腹部は無痛、股は痛い。産褥パッドに液体が漏れた感じがしてナースコール。破水かと思ったら出血。子宮口2センチ。

1:30
内診したら子宮口が4センチになってた。陣痛間隔は2〜3分の時もあれば、4〜5分の時もある。

4:00
眠いけど2〜5分おきに訪れる股の痛みで眠れず。痛みレベルは10段階中2〜3。生理痛がピンポイントで股にくる感じ。内診したら子宮口が8センチまで開いてた。今日中に産まれそうだねと言われる。

重力で股に麻酔を行き渡らせるため、分娩台の上で胡座をかく。頭の後ろに大きいクッションを入れてるせいか、なんとなく教祖感がある。

麻酔が効いてきて痛みレベルが0.5〜1に。NSTを見ると張りはしっかりある。「張りがグググッ…と上がってすーんと下がるのが欽ちゃんの仮装大賞の得点パネルみたいだね」と、くだらない冗談を言うくらいの余裕があった。

4:30
痛みはほぼないけど、下腹部が内側から押されている感じ。赤ちゃんが下がってきてるのかも?

6:00
またダラダラっと出血。破水はまだだけど卵膜はパンパンらしい。割れたらバンっと弾ける感覚があるからわかると思うよ、と助産師さん。

7:30
朝ごはんがまずい。2割くらい食べたところで吐き気がして吐いた。ビニール袋を持参してよかった。吐き気は麻酔の副作用かも?

8:00
陣痛間隔が2分に。NSTの張りは127。痛みはあまりない。

8:30
熱が上がってきて37.8℃に。やはり麻酔の副作用らしい。赤ちゃんへの影響が心配。

8:40
主治医が到着してちょっと安心。なかなか破水しないので、器具?で突いて破水させてくれた。確かにバンって感覚があった。熱が出てるせいか抗生剤を飲まされる。

9:30
羊水がドバッと出てきた。痛みレベルは4くらい。赤ちゃんが下がってきた感覚がはっきりあり、下腹部と子宮口付近に強い圧迫感。

10:00
麻酔の副作用の吐き気がつらい。胃が空っぽだったので嘔吐したときの味が最悪だった。

痛みレベル上昇に合わせ、NSTの波が大きくなだらかな波から細かいギザギザに変わる。

10:30
麻酔が効いて痛みが取れ、少し眠れた。熱は38.1℃。陣痛間隔は1分半から2〜3分。

11:00
子宮口8センチからなかなか進まず。麻酔がうまく効いて、ぐっすり眠れた。本戦に向けて力を蓄える。熱は下がらず、寒気がするので布団をかけてもらった。

11:15
助産師さんがぐりぐり内診して、子宮口を指で開かせる。違和感はあるが痛みはない。もし麻酔なしならめっちゃ痛かったと思う。

11:50
子宮口が10センチの全開大に開く。いきめばもう出てくるそう。同時に昼ごはんが運ばれてくる。これから産むか食べるかの2択を迫られるが、ごはんがおいしくなさそうだったので産むを選択。

12:00
痛みレベル5。叫んだり取り乱したりするほどではないが、結構痛い。強めの麻酔を追加する。

お腹は無痛だが、子宮口が痛むので陣痛の波を掴みやすい。波が来るたびにいきむ。フーッと息を吐きながらいきむのかと思ったが、止めたまま下腹部に力を入れるらしい。助産師さんからいきむのが上手いと言われ、やる気を出す。

12:15
積極的にいきむ。痛みレベルは6くらい。股に何か(赤ちゃんしかないけど)が挟まってる感がすごい。陣痛の合間に「頭見えてるけど髪フサフサだよ!」と言われて笑うくらいの余裕はあった。

12:20
主治医が戻ってきて、いきみに合わせてお腹を押してくれる。股の間でいろんな人がガチャガチャやっていたが、痛みと緊張でよくわからない。先生が出口付近に局所麻酔を打ち、会陰切開した。

12:25
間髪いれずにいきむ。痛いけどなんとか頑張れるレベル。叫ぶほどではない。助産師さんの表情の本気度が変わる。いきむのはもうあと2〜3回か?隙間からわずかに頭が見えた(夫談)。

12:31
助産師さんの「いけた」みたいな表情(夫談)。その直後誕生!

赤ちゃんは少し紫色っぽかったが、すぐ大声で泣いた。母体が発熱した影響か、酸素が足りず息がハァハァしていたらしい。あったかいところで酸素マスクを付けて休ませ、様子を見るとのこと。

13:00〜17:00
くたくたに疲れた。まずい昼ごはんを無理に食べたせいか5回吐いた。熱が39.0℃まで上がり、寒くてガタガタ震える。でも達成感でいっぱい。

17:00
吐き気止めの点滴のおかげでようやく吐き気が収まり、熱も37℃台に。赤ちゃんも元気。可愛いと思う余裕が出てきた。お疲れさまでした!

【所感】
副作用はつらかったけど、痛みで我を失うこともなく、夫と赤ちゃんと三人四脚で出産を乗り越える喜びをしっかり噛み締められた。合間に冗談を言ったり、一つひとつの工程を冷静に覚えていられたりしたのはきっと無痛ならでは。産後の回復も早く、全身筋肉痛にもならずに済んだ。

陣痛の波が掴みづらい無痛でもそれなりにスムーズなお産だったのは、股に痛みが残っていたのと、臨月から欠かさずやっていたYouTubeの子宮口ふにゃふにゃケア(怪しすぎる)や三陰交のツボ押し、スクワット、乳首マッサージのおかげかな。総じていい思い出になったし、人それぞれだろうけど個人的には無痛を選択してよかった!

【余談】
麻酔を打ってくれた医師が、産後めっちゃ自信なさげに「麻酔、ちゃんと効きました…?」と確認しにきた。やっぱり慣れてなかったのね…。何もなくて本当によかった。結果として面白い体験になりました。

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