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【速報的読書記録】『荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録 東北編』

お化け・妖怪好きは世に多けれど、「妖怪に会いたい、恋もしたい」というアラマタ先生は際立った存在ではないでしょうか。

まだまだ読み始めなのだけど、のっけから衝撃度が大きくて、速報的に投稿してしまう(爆)。読了してからまた読書記録は改めて書こうとも思ってますけど……

衝撃というのは、過去に国立科学博物館で企画展「化け物の文化誌展」が開催されたということ(調べてみたら2006年秋のことだった)…そして、その際「科学を看板とする科博が化け物なんぞを扱うとは何事か」という非難に対し、「化け物に興味を抱く心こそが、科学そのものなんじゃありませんか!」と言い放ったのが、科博の鈴木一義先生と。
私にとっては、かなり意外な御名前が出てきたことにビックリしたのです。
江戸時代に細川半蔵が著した「機巧図彙からくりずい」の設計図を基に座敷からくりの一つ・茶運び人形を現代に復元した人物・グループは複数ありますが、鈴木先生はそのお一人であり。また、江戸時代の北陸に生きた奇才・大野弁吉ゆかりの地に建つ石川県金沢港大野からくり記念館の展示図録(平成8年発行…)中の鼎談・「科学技術としてのからくり」にも参加なさっており、さらには2003年に科博で開催の特別展「江戸大博覧会」で企画委員をつとめ、からくり関連の出展物の解説を書いていらした御方でもあります。
からくりに興味をもって何冊か本を読んでいると、どこかで出会っているはずの御方ではないかと…。
江戸のからくりは単なる見世物には終わらず、当時の技術の一つの集大成でもあった。鎖国下にありながらも培われてきた科学の知識と技術とがあったればこそ、明治以降の時代へと繋がったといえるのではないか、と…何かの本に書いてあったなと(爆)。
私が驚いた理由、お分かりいただけたでしょうか。

それにしても、「化け物に興味を抱く心こそが科学そのもの」というのは、こういう表現は失礼かもしれませんけど、言い得て妙だなと。
未知を既知へと変えてきたのが科学的アプローチであり、「これってヘンだな、不思議だな、なんでなんだろうな」という疑問から探究は始まるものですから。その対象が何であるか、だけの違いだと。
昔ほど科学とオカルトの境界が微妙だったという印象も、私個人は持っており(一般論かどうかは分からないのだけど:爆)。発明王エジソンが晩年には死者と交信する「霊界通信機」を作ろうとしていた、という話もありますし(※おもちゃのまちバンダイミュージアム ホームページ内の記事にて確認)。

アラマタ先生の著書は何冊も拝読しておりますが、こちらは探偵団の一員である小説家・峰守ひろかず先生執筆の部分が多い印象。でも、どちらの先生もその文章は読みやすく、かといって崩れすぎず程よい固さを維持というスタイルに私自身には感じられ、これならしんどい思いをすることなく読み進められそうです。
探偵団は東北で何を見るのか、何と出会うのか。たのしみです。

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