見出し画像

【真症呟き】「エモい」に物申す

本日の「正解の無いクイズ」@テレビ東京の問題は、
「エモい」という気持ちを表す新しい漢字を作ってください
で、各分野の天才・奇才・変人たちが各々思うところの回答を出して、どれもなるほど一理あるものばかりではあった(「エ」「モ」「い」を漢字っぽく組み合わせたMCの答えは、正直だいぶ「やっちまった感」だったけど…)。

ただ、私個人の意見としては、むしろそれ以前の問題、「あれもこれもエモいの一言で片づけるなよ」に尽きます。
「感動した」を様々に表現する日本語が沢山あるわけじゃないですか。それを一語で全部兼ねてしまうってのは横暴にも等しいんじゃないかと。自身の無知を晒してるようなものです(酷評)

0655@Eテレのおはようソングに「ぬかくぎソング」があり。
糠に釘
石にきゅう
豆腐にかすがい
馬耳東風ばじとうふう
沢庵たくあんの重しに茶袋
闇夜の錦
ざるに水
貝殻で海を干す
犬に論語
豚に真珠
暖簾のれんに腕押し
石地蔵に蜂
猫に小判
これらは、ほぼほぼ「無益・無意味・無駄」の意味であり。
同じ意味ならば言い方は一つでいいはずなのに、これだけの表現が(いや実は探せばもっとあるのかも…)存在している理由を考えてほしいのですよ。

褒めるにしても、好意を伝えるにしても、使える語や表現は幾つもあるのに、月並み人並みのことしか言えないと、「だっせぇ」「見る目のないヤツ」「本気かどうか分からない」と幻滅されてしまかねない。
瀬戸内寂聴さんが、生前「どうして勉強するの?本を読む理由って何なの?」的な問いに対し、「好きな人が出来て想いを伝えたいときに、それにふさわしい言葉が出てこないって、ありきたりな言い方しか出来ないって、残念なことじゃない?だからよ」といった答えを返していたのを見た記憶があります(もう何年も前に読んだ本で、だから記憶のみを基に書いてますけど…でも、そんな感じだったはず;)。

ぶっちゃけ、同じことを二度三度と繰り返し述べざるをえない場面ってのはままある訳ですが、全く同じ語を羅列するがごとく使うのはスマートではない。日本語でも言われる話だけど、英語だってそうです。そういう時は似た意味の語で言い換えつつ続けるのです。
一つの表現・一つの意味に対し一語しか知らないと、知識のある人には「だっせぇ」と見られ、評価を下げてしまうと。

…まあ、語彙力が低いというか似たようなレベルの教養ばかり持ち合わせた層で集まってればそういうことも無く、悔しくも恥ずかしくもないのかもしれませんが……(さらに酷評)

たとえば雪や雨も、降り方や様子で色々な呼び名があります。月だって、満ち欠けの度合いなどで幾つも名前があります。
マスク氏に「このままいったら日本は消滅する」と言われるまでもなく、あれやこれやの古き良き美しき日本語が瀕死で横たわっているような状態だと思いますよ。

言葉は生き物であり、時代と共に変遷するもの。生まれ、変化し、あるいは消えていくもの…ではあるのですが。それにしても世知辛い今日この頃です。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?