青×石討論会後のゴタゴタを眺めた感想

青識vs石川討論会、その後のゴタゴタが酷すぎて引くわぁ……。

いや、石川さんの気持ちはわかるんですよ。あくまで気持ちはね。討論会直後、その場では「有意義だった」と口にしてたらしいけど、後でいろいろ思い返してみたらどうも納得いかない、腹立ってきた! と変節する「気持ち」はわかるんです。

私自身、十代の頃にとある出来事で言いくるめられ、後で悔しい思いをした事があって、よく考えてみたらめっちゃムカつく! って気持ち自体は否定しないです。

ただねぇ……。その場で言い返せなかった事とか、200人の前で発した言葉を一晩でひっくり返すのって、やっぱりどう考えてもカッコ悪いですよ。それは否定しようがない。

そんなカッコ悪いヤツは、少なくとも男社会では相手にされないですよね。

「その場で反論できないお前が悪いんだろ」

「後からグチグチ言うなんて男らしくねーな。ダセー」

って普通に言われちゃう。そんな評価が嫌だから、言いたいことを飲み込んで、泣く泣く我慢した男はいっぱいいるでしょうよ。

だって死ぬほどダセーじゃん。直接言えなかったくせに、後で愚痴ったり、平気で発言を翻したりするのなんて。ダサいと評価されたら終わりなんだよ。男にとっては。

でもフェミ内では、

「その場で言えなかった気持ちわかるよ」

「男ばかりのアウェーで怖かったんだよね」

などと、相手を悪者にしたうえで、あたたかく迎え入れてくれるんだよね。エンパワメントという名のぬるま湯だけど、今のフェミニズムってそういうものに成り果ててるわけで、「カッコいい」とか「誇り高い」みたいな価値観とは完全に無縁な活動なんだよね。

それはやっぱり、カッコよさに重きを置く女性からは支持されないですよ。カッコいいって重要ですよ。それに人生を賭ける人がいっぱいいるんだから。(平野啓一郎さんの『「カッコいい」とは何か』に詳しい)

結局、石川さんはフォロワーが怒ってくれてるツイートを見て思っちゃったんでしょ?

「あ、これ怒っていいんだ」

って。

討論直後はモヤモヤを抱えつつも、自分のなかで処理するつもりだったはずなんだよ、きっと。次回以降への意欲も見せてたらしいし。

でも、周囲の「怒っていいんだよ!」って言葉に流されちゃったんでしょ?

「怒っていいんだって気づかされた」

これって昨今の俗流フェミに「目覚めた」女性が最初に口にする言葉だけど、

「怒っていいんだよ!」
「怒っていいんだ!」

この気づき、本当に怒るべきことを我慢してる女性にとってはすごく重要なんだろうけど、ほんらい引き受けるべきものをも放棄するような、易きに流れる言葉でもあると思うんだよね。

男女関係なく、一人の大人として登壇したのなら、不本意な結果も引き受けるべきでしょ、そこは。辛くても。怒って済ませていいことなの?

観衆の前で発言するってそんな軽いことではないし、そんな簡単に前言撤回するんじゃ、お金と時間使って見にきた人だって「あの場で聞いた言葉はなんだったんだ?」って気分になるよ。

限られた人しか見れなかった討論会で、評価は様々なのに、登壇者本人が「被害体験」として公にすることで、見ていない人に最悪の想像を抱かせ、「酷い現場だった」という「事実」に塗りつぶそうとしてる。

石川さんは自分自身の失態や、議論の至らなさをきっと自覚してると思う。だからこそ「被害」として塗りつぶしたいんでしょ? 痛い失態を無かったことにしたいんでしょ?


……そんなふうに思えてくる。見てもいないフェミが憶測で語るように、私も憶測で語らせてもらいました。憶測で語るのは自由だよね?

しかし、こういうグダグダ展開を見ると、上野vs柴田討論会で、柴田さんがボコボコにされても一切言い訳せず、見る人の評価に任せた潔さが思い出されるね。議論では完全に負けてたけど、あの態度はカッコ良かったですよ。

カッコ良さの対極にある姿を恥とも思わない今のフェミニズムは全くもって美しくないと改めて思ったのでした。

おわり

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