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左の掌を見つめて、そこに刻まれている線、もとい皺を眺める。 そして閉じる。 また開く。 …
色が見える。 夢に色がついている。 それは普通のことではない。 少なくとも俺にとっては。…
存在しているのに存在していないもの、なーんだ 蝙蝠のようにペンダントライトの上にぶら下が…
白い宇宙を作り出すのが彼女に与えられた試験だった。 他にも試験は沢山あるのに、彼女にはそ…
さわさわとざらざら。 風の音。 そして砂が私の手からこぼれていく感触。 またハズレ この…
おなかすいたぁ、と情けない声を出したのは炊事を絶対にさせてはいけないと両親から言われてい…
睡魔とはどこからやって来るんだろうな 魔ってつくくらいだから悪魔的なのが持ってきてるんじゃない 悪魔なんて存在が不透明なものを引き合いに出されても困るんだが いや、そこに疑問持たれても困るんだけど 日曜日、テレビで午後のロードショーを観ていたら急にそんな会話になった。 恐らく、いや、絶対に彼が眠たくなったからだとあたしは睨んでいる。 体勢からしてソファに深くもたれているし、なんなら体の全体から覇気のようなものを感じない。 完全にソファに全てを預けきっている。
新しい物を買う時は古い物を減らした後で。 これは私が何かを買う際のルールだ。 とはいって…
適材適所法の施行によって能力を持つ特別な人間は、その能力が発揮できる職に就くことになった…
子供の頃からずっと不思議だった。 周りにいる人々の色鮮やかさが。 そして鏡に映る自分には…
小さい穴を見つけたなら、直ぐにふさぐこと。 見てみぬふりをしたり、後回しには決してしない…
菓子パンはその名の通りお菓子である。 お菓子、つまりスイーツ。 甘い物。 食事ではない。…
宇宙空間を漂うのは楽なことではない。 僕等は普通よりちょっと小さいから、本当に困る。 僕…
午後二時過ぎ。 太陽の日差しが入っていてぽかぽかと暖かい窓辺にあいつはいた。 相変わらずこの時間は眠たそうな顔をしているな、と目を細めて見つめる。 俺の視線を感じ取ったのか、あいつはそっぽを向いて丸くなる。 そのうち寝るんだろうな、羨ましい限りだよと心の中で呟く。 そんなあいつを尻目に、こっちはノートパソコンを取り出して仕事の続きを始める。 この部屋には時計がない。 だからキーボードをたたく音と、自分の静かな呼吸音だけが耳に入って来る。 三十分ほど経過した時、