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働く男と鶏と米 新宿 たもいやんせ

こんにちは。こんばんは。
人生の記憶の切れ端にあるものを
忘れないためのログ第八回目。

たもいやんせ

たもいやんせとは、「召し上がれ」という意味らしい。
新宿にある宮崎料理のお店。渋谷にもある。
「今日「たも」にする?」
私が、東京に出てきて初めて働いた、というか、バイトしていたところの近くの「たもいやんせ」に行くときに、仲間内で使っていたフレーズである。
就職もせず、2000年初頭のサブカルチャームーブメントに完全にやられてしまった私は、東京に出て、とりあえず楽しけりゃいいやと、その日暮らしの生活を続けていた。
神泉近くのビルで働いており、一緒に働いている連中もゆるーく夢を追いながら働きたい、みたいな人ばかりであった。まぁダラダラ生きていたわけである。
仕事中の楽しみは、外食するランチくらいであり、(いま考えると贅沢だな、)たもいやんせは、宮崎料理を出すお店として、仲間内では、なかなか人気であった。
そこのランチで、チキン南蛮を食べた時、都心の地産地消フューチャー系定食はこんなにも美味いのか!という記憶が残っている。どうしようもない日常の小さな楽しみ…
そして時は、20数年流れ流れ、、
先日、新宿を歩いている時、「たもいやんせ」の暖簾を発見する。
「これはあの時の店「たもいやんせ」と一緒なのか、、、」検索してみるとどうやら一緒らしい。
メニューも微かな記憶通りのメニューだ。

多分20年前と変わってない


ちょうど昼ご飯のタイミングから少しずれていたが、暖簾をくぐってみる。着席すると迷わず「チキン南蛮 日南風」とかかれているメニューを頼む。
ややあって出された定食だが、小鉢3つ、切り干し大根、ぬか漬け、煮物、それとご飯と味噌汁と充実している。お米はつやつやである。まずは味噌汁からすすると、いや、あら汁であった。美味い。間髪入れずにチキン南蛮を食べると甘酢とタルタルが濃厚で、チキンも美味しい。

チキン南蛮 日南風


お米を呼ぶ味だ。そしてお米。ふっくら、しっとりとしており、なんとこの時代におかわり自由である。
調べてみるとぬか漬けの野菜は、それぞれ、きゅうりは都城市、大根、人参は小林市から、お米は高原町の「ひのひかり」という、たもいやんせのために中村商店さんが作ってくれた品種。あら汁は生姜と長ねぎで出汁を取り、宮崎の麦みそで仕上げたらしい。
すべて宮崎の地のもので、こだわりのある素材で構成されている。あまりにも美味しかったので別日にも訪問。

「親鶏のもも焼き」を頼む。こちらもしっかりとした歯ごたえと味、そして眼の前で炭火焼してくれたので、炭とタレの香ばしい味がしてご飯が進む。小鉢は日替わりのようだ。お漬物や副菜のレベルも非常に高い。
えてして、20年前の記憶が美化されていることがありがちだが、そのようなことはなく。とても美味しい昼ご飯であった。店舗は新宿と渋谷(神泉)にまだあるらしいので、
是非!たもいやんせ!!

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