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仕事が大幅に減りました〜カタログ制作者の今とこれから〜

前に書いていた記事(縮小する印刷業界で思うこと)からわずか2週間、書いたまんまのことが自身に降りかかりました。

定期媒体の突然の休刊

私の所属している会社は、食品や生活必需品を中心に営業している大口優良顧客の定期媒体が売り上げの9割を占めています。大部数の紙媒体を年間通して制作していて、震災やコロナでもクライアントが動いているため、印刷会社の中では社会の影響を受けにくく安定していました。…先週までは。

休校、休業、在宅勤務などの影響で、スーパーやドラッグストアと同様に、弊社クライアントにも注文が殺到、物流がパンクし、欠品や遅延が多発。弊社で制作しているカタログも過去最高の凄まじい売り上げ増となり、物流負担を減らすために数媒体を休刊する運びとなりました。一部配布を減らすという話から一転、普通に進行していたものが一気に止まり、印刷機で刷り終わったものも、再校提出用にプリントしたものも全て廃棄。修正途中のページもデザイナーさんが作りかけていたページもストップ。今までさんざん売り上げをアップさせろと言われてきて、実際右肩上がりで伸びていた媒体なので皮肉なものです。

この先どうなる?

期間は3ヶ月の予定ですが、今の状況では先は見えません。救済処置としてダイジェスト版のようなうんと少ないページ数の媒体が検討されていますが、もしこれで売り上げ調整ができてしまうなら、もう完全版での復活はないでしょう。あとはWEBのみでの復活とか。昨年クライアント上層部の「親弊社派」の方が抜けて「反弊社派」の方が入ったので、これを機に弊社を制作から外していくという方向なのかもしれません。紙カタログを減らす流れは前から変わっていないので、よくてページ減や間引き発行となり、完全な復活はないだろうと予想しています。

人数や制作時間の割に利益の大きいコスパのいい仕事だったので、会社の財務にはかなり影響すると思います。私は掛け持ち仕事とダイジェスト版の担当が仮決定しているので社内失業状態にはならないのですが、派遣さんの雇用は残念ながら守れそうにないです。ボーナスも大幅減だろうなあ…。

新しい働き方へ

今回の件は会社が潰れるほどのダメージではないので、今のところは食べていくのには困りません。でもいつ他の媒体が休止してもおかしくないし、新聞も雑誌も書籍もチラシも減っていて、イベントパンフやポスターの仕事もなく企業のペーパーレス化も進んでいる今、印刷会社にしがみついて残っていても先が見えているんですよね。印刷の仕事は好きだけど、業界が縮んで椅子がなくなっていくのなら、去ることに躊躇はないです。

今は会社に籍を置いて給与収入を得つつ、他の収入を得る手段を模索・準備する時期だと思っています。外出自粛でレジャーに行けないのが、むしろチャンスというか向き合わざるを得ないというか。私のいる会社は在宅勤務NGの古い体質なので、zoom、skype、slackくらいは個人で使えるようにします(まだzoomだけなので次はskypeにチャレンジ!)。会社の規定では副業NGですが、オンラインの副業塾にも参加しています。

印刷業界は例えるなら「温暖化で水がだんだん干上がってきた池」で、残れるのは池のヌシのような強い魚か、コンパクトに効率よく生きられる魚、あるいは成長すれば水中から陸へ上がれる両生類だと思っています。両生類であれば干上がっていく過酷な環境から逃れて暮らすことができます(陸が安全なのかとか、卵は水中で産まなきゃとかそこまで厳密には考えないでね!)。ということで私は両生類になることを目指しています(笑)

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