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【実体験】飲酒運転で警察署の前に突っ込んだ契約者

皆さんこんにちは。元損害保険会社員のKoh+です。

今回の記事は、私が自動車保険の事故対応をしていた時に【飲酒運転】で事故を起こした契約者の対応をした話になります。
「へーこうなるんだ」程度に気楽に読んでいただければと思います。

※印飲酒運転は極めて悪質・危険な犯罪です。皆さん一人一人が「飲酒運転を絶対にしない、させない」という強い意志を持ち、 飲酒運転を根絶しましょう。



社員が新規事故案件を受けるまでの流れ

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まずは一本の新規案件から始まります。


現場の社員がどんな流れで事故対応をするかと言うと

事故受付センターでその名の通り事故受付(事故の受付のみをする部署、もしくは外注があります)

そこから事故対応部署に新規事故案件として送られてきます。

チームのリーダーが社員に振り分け

私に回ってくる

みたいな感じですね。(ざっくり)

新規の案件を受けた社員はできるだけ早く、まずは契約者に電話をします。(保険会社によって何分以内に電話する決まりがあります)

受付センターで契約者照会を行って簡単に事故状況を聞くので、その概要がまとめられた資料も一緒に渡されます。




始まり

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上記の流れで説明した通り、私に新規の案件が回ってきました。

まずは保険契約の内容が有効かをさっとチェックします。(たまに前の保険会社や保険料未払い、契約者照会が済んでない緊急の案件もあるので)

事故状況とざっくりとした事故内容を見てみると

「深夜に警察署の前のガードレールに突っ込んで大破」

これだけで既に嫌な予感がしました。(笑)
大体深夜の事故は怪しいです。ある程度経験がある担当者だと事故状況を見るだけで当たりをつけることができます。

しかも警察署の真ん前。
Google Mapで事故現場の警察署前を見てみると、なるほど。事故が起きそうな場所ではない。

私はある程度覚悟をして契約者に電話をかけました。




電話に出ない契約者

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どんな案件でもできるだけ早く契約者に電話はするのですが、特に緊急性が高そうなものは優先して電話をします。

今回の件も危なそうな内容だったのですぐに掛けたのですが、、、出ない。
そこから数時間の間に感覚を空けて何回かかけても、、、出ない。

「死んでる?怪我?病院?」とも思いましたが、事故受付段階では「怪我なし」とのことだったので、なんなんだこれは?と思いました。
こういうことはたまにあるんですが、大体折返しか遅くても2日以内には繋がるのですが本件に関しては一向に繋がる気配がありませんでした。

契約照会の段階で契約時の電話番号を調べることができるので電話番号も間違っていません。


そして、1週間後。。。




契約者「事故の後、逮捕されて拘留されてました」

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一応毎日電話をかけていたのですが、一週間程して急に繋がりました。


契約者「すいません、事故の後逮捕されて警察署で拘留されてたので電話出れませんでした。。。」


犯罪を犯しとる/(^o^)\


お、おおう。。。予想通りというかなんというか。(笑)
そこから基本的な事故状況や場所、受付段階での情報が間違っていないかの確認をしていき、いよいよ確信になる【なぜ、捕まっていたのか】ということを聞きます。

私「ちなみに、警察に捕まっていた理由ってなんなんですかね?(ドキドキ)」

正直、飲酒運転じゃないかとあたりは付けていたいたのですが、こういう犯罪行為をした人は最初だまくらかして曖昧なことを言ってくることが多いです。
そうなるとこちらから調査員を派遣したり、高難易度事案としての手続きとかめんどくさいことになるので、内心(言うのか!!言わないのか!!)とハラハラしていました。


契約者「あ、飲酒運転です」


普通に言ったああああああ
あ、そこは正直に言うんだね、と思いました(笑)





その後の展開

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飲酒運転で事故を起こした場合、「自賠責保険」「対人賠償保険」「対物賠償保険」は使うことができます。
今回は幸い誰にも怪我は発生しなかったので対物保険ガードレールの修理にのみ保険を使うことができます。

その後の保険契約に関しては、保険契約更新が謝絶になるので
「もうウチの会社ではあなたは保険契約できませんさようなら」
という状態になります。

なのでこの方とは対物保険でガードレールの修理が終わり次第さようなら、ということになりました。





飲酒運転を犯したとしても、その後の対応次第で減刑の余地あり

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【元】契約者になったその方はそこから裁判が行われるようでした。

【行政処分】
酒酔い運転
基礎点数 35点
免許取消し 欠格期間3年
【罰則】
車両等を運転した者
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

調べてみたところ,これだけの処分が下されるようです。


ただ、加害者としてその後の責任を果たしたり取り組む姿勢を見せることで、若干罰則が軽くなることもあるようです。


確かに罪は犯してしまったかもしれませんが、その後の反省や社会的貢献などをすることによって救済、復帰の余地を与えるというのがこの日本という国のようです。





まとめ

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いかがでしたでしょうか。

近年は飲酒運転に対する、取締や罰則の強化で減少してきてはいますが、未だに死亡事故なども発生しています。
確かに事故の中にはやむおえない物も存在しますが、飲酒運転は個人の意識で避ける事ができます。
自分を含め、身近な人も加害者とさせないよう気をつけましょう、

最後までご視聴ありがとうございました。

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