製薬メーカーが金儲け出来なくなりました

先日ある患者さんに「あなたの咳は煎じ薬漢方治療しか効きません」と言いました。当院の煎じ薬治療は保険診療ですがお値段は通常の保険診療より薬局の支払いが月に5,6千円高くなります、と説明したのですが、実際には薬局の支払いが15000近くになってしまい、患者さんから「キャンセルしたい」とお申し出がありましたが規則を調べたところ御本人が同意して薬局がその薬を本人に発送してしまったあとではキャンセルは出来ないことが分かりました。

当院では煎じ薬の治療を保険でやっていますが、保険を使っても煎じ薬の治療はこのくらいになります。無論当院の診察料は別に掛かります、そもそも私が安易に「普通のツムラの薬を貰うより月に5,6千円高い」と言ったのが不正確だったので、これは私が悪いのですが。



いま咳止めが保険診療では手に入らないというのはかなりの方がご存じと思います(患者さんによっては「え、知りませんでした」という人がいますが、それはあまりに情報過疎です)。処方箋に咳止めを書いても薬局に咳止めはない。だから手に入りません。咳止めだけでなく、ペニシリン経口製剤も供給が不安定です。その他あれやこれや、保険診療で痞える薬の25x%以上、つまり1/4以上が供給不安定です。その理由は簡単です。薬価が低すぎる。


一番代表的な咳止めアストミンの公定薬価が5.7円。一番基本的な抗生物質サワシリンが1カプセル10.1円。そんな値段では薬が作れないのです。。5.7円ってあめ玉すら買えません。ところが薬の原料は海外からの輸入です。原料輸入して、日本で錠剤やカプセルにして、卸に出して問屋を介して薬局が売る。これを5.7円とか10.1円でやれますか?やれないのです。だから今日本では保険診療で使える薬の25%以上が供給不安定、実質的に手に入りません。


皆さんが医療費が高い、薬代が高い、製薬メーカーが大儲けしてるんだと主張したからです。皆さんがそう言うから、国はこれ幸いと薬価を下げた。その結果、薬は作れなくなりました。皆さんは製薬メーカーに儲けさせたくなかったんでしょう?もちろん、それは達成されました。だって製薬メーカーは薬が作れなくなりましたから。本当におめでとう御座います。やれば出来るんです。製薬メーカーに儲けさせないという目標は達成されました。ただし皆さんが肺炎になってもペニシリンは手に入りません。だからどうぞ死んでください。肺炎になってペニシリンがなければ死にます。それを皆さんが望んだのです。


素晴らしいですよね。日本は民主主義ですから、国民が願うことは実現します。ペニシリンが作れなくなって、本当によかった。あなた方国民が望んだ通り、製薬メーカーは設けられなくなった。だから肺炎になったら死んでください。悪いが漢方で肺炎は救えません。

さようなら。


https://www.ayumino-clinic.com

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