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3つのステップで実現する高生産性セールス: 無駄の排除、標準化、科学的マネジメントの活用

1.イントロダクション

皆さん、商業施設や店舗でお買い物をする際、商品の推奨やアドバイスを行う店員さんの存在に触れたことはありますよね。彼らは我々がよく知っている"セールスパーソン"という役職を担っています。しかし、セールスパーソンの役割は単に商品を顧客に販売するだけにとどまらず、顧客満足度の向上、長期的な信頼関係の構築、そして組織の売上向上に直結する重要な業務を担っています。

では、彼らがどのように自身の業務を効率よく遂行し、それにより結果を出す(つまり「生産性を高める」)か、は一体どのような要素によって支えられているのでしょうか?また、それらは具体的にどのような行動や思考に結びつくのでしょうか?

この問いに対して、今回は皆さんと一緒に深掘りしていきたいと思います。そして、セールスパーソンの仕事だけでなく、どの業種、どのポジションにおいても活用できる、生産性向上のヒントを皆さんと共有できればと思います。

これから我々が探求する内容は、セールスパーソンの業務を科学的に見つめ直し、そのエッセンスを抽出し、組織全体で共有・活用することで、セールスパーソン一人ひとりの生産性を高め、更には組織全体の生産性を向上させるための方法論です。

具体的には、効率的な業務遂行のための「無駄の排除」、業務の一貫性と再現性を保つための「標準化」、そして生産性向上を継続的に進めるための「科学的マネジメント」の導入といったテーマを中心に、皆さんと共に考えていきましょう。

それでは、早速具体的な話に入っていきましょう。

2.セールスパーソンとは何か?

2-1. 一般的なセールスパーソンのイメージ

セールスパーソンというと、頑張り屋で、自身の足で市場を駆け回り、とにかく最後には目標数字を達成すればよいという、力強さと結果主義が求められる職業というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。そして、このイメージは確かに一部の現実を反映している面もあります。ただ、これだけが全てのセールスパーソンの姿を語っているわけではありません。

2-2. 本当のセールスパーソンの姿

では、高いパフォーマンスを発揮する、すなわち「生産性の高い」セールスパーソンとはどのような人なのでしょうか。その答えは以下の3つの要素で考察していきます。

(1)無駄なことをしない: 効果的なセールスパーソンは、無駄な業務を避けるために時間と労力を最適化します。例えば、見込みの薄い顧客に多くの時間を割かない、既に選ばれたベンダーに対抗するだけのプレゼンテーション資料を作らない等、最善の結果を出すための資源の配分を心掛けます。

(2)標準化を進める: 効果的なセールスパーソンは、セールス活動を標準化します。これにより、彼らの業務は一貫性を持ち、再現性があり、新たなメンバーが即戦力化するのも速くなります。セールスパーソンのスキルや知識、営業プロセス、そして思考のパターンを標準化することで、高いパフォーマンスを持続的に生み出すことが可能になります。

(3)科学的マネジメントを導入する: 高い生産性を発揮するセールスパーソンは、科学的な管理方法を自身の業務に導入します。これにより、彼らは再現性の高い成功パターンを見つけ出し、それを組織全体で共有・活用することができます。

3.生産性の高いセールスパーソンになるための3つの要素

3-1. 無駄なことをしない

無駄なことをしないとは、時間管理とリソース管理の技術を使って、最も効果的な行動をすることです。セールスの世界では、どんな顧客に対してどの商品を提案するか、そしてそれをどのタイミングで行うかが成功の鍵となります。これは、見込みの薄い顧客や競争力のない案件に時間や労力を浪費しないという意味でもあります。タイムマネジメントの技術を駆使して、自身の労力と時間を最も効果的に使える領域に集中することが求められます。

3-2. 標準化を進める

標準化とは、業務プロセスを一定の形にすることで、一貫性と再現性を確保し、結果として生産性を向上させることです。以下にその具体的な項目を述べていきます。

3-2-1. コンピテンシー

コンピテンシーとは、業務遂行に必要なスキルや知識、態度を指します。セールスにおいても、優れたコミュニケーションスキル、課題解決能力、クリティカルシンキングなどのコンピテンシーが必要となります。これらを共有し、全員が一定のレベルに達するよう育成することで、チーム全体の生産性を向上させます。

3-2-2. 営業プロセス

営業プロセスとは、リード獲得からクロージングまでの一連のフローを指します。このプロセスを明確にし、全員が同じ流れで動くことで、チーム全体の動きがスムーズになり、ミスを防ぎます。また、新人教育や研修も効率化され、即戦力化も早まります。

3-2-3. 思考の型

思考の型とは、問題解決や意思決定に至るまでの思考プロセスを指します。セールスにおいては、顧客のニーズを理解し、それに最適な解決策を提供するという思考の型が必要となります。この思考の型を共有し、鍛えることで、個々のセールスパーソンが的確な判断とアクションをとることが可能になります。

3-3. 科学的マネジメントを持ち込む

科学的マネジメントとは、フレデリック・テイラーが提唱した管理手法で、作業を最も効率的に行うための最善の方法を科学的に解明し、それを組織全体に広げるという考え方です。

セールスの世界では、この考え方はデータ駆動型のアプローチとして具現化されます。つまり、顧客データや営業活動の結果など、様々なデータを収集・分析し、その結果に基づいて最善の営業戦略を立てるというものです。

具体的な活動としては、過去の成功事例のパターン分析、A/Bテストによる営業手法の検証、キーパフォーマンスインディケーター(KPI)による目標管理などがあります。これらにより、セールスパーソンはデータに基づいた意思決定を行い、自身の行動や組織全体の戦略を最適化していきます。

以上、無駄なことをしない、標準化を進める、そして科学的マネジメントを持ち込む、この3つの要素が生産性の高いセールスパーソンになるための鍵となります。これらを意識して日々の営業活動に取り組むことで、より高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。

4.まとめ

本日は、生産性の高いセールスパーソンについて、その主要な要素を3つに絞ってご紹介しました。

まずは「無駄なことをしない」。時間とエネルギーは有限です。重要なのは、どこにそれらを投資するかを洞察し、結果を生むための活動に集中することです。それには、顧客のニーズを理解し、適切な提案をするだけでなく、購買の意思決定権を持つ人、つまりキーパーソンとのリレーションシップを築くことが求められます。

次に「標準化を進める」。これは、個々のセールスパーソンのスキルや経験を超えて、組織全体としての営業力を高めるための方法です。具体的には、セールスパーソンのスキルや能力(コンピテンシー)、営業プロセスの最適化、そして思考の型の共有化に取り組むことです。

そして最後に「科学的マネジメントを持ち込む」。これは、データを活用して最適な営業戦略を立て、それを実行するというアプローチです。

これらの要素をうまく組み合わせることで、セールスパーソン一人一人、そして組織全体としての生産性を大幅に高めることができます。それはただ単に数字を追うのではなく、顧客への価値提供を最大化することで結果を出す、新しい形のセールススタイルを意味します。

まとめると、生産性の高いセールスパーソンになるためには、時間とエネルギーを無駄にせず、標準化と科学的な管理方法を導入することが必要です。これらのポイントを押さえながら、毎日の営業活動に取り組んでみてください。

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