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友達の家の匂い

昔、自分が小学生だった頃、友達の家によく遊びに行っていた。

スナック菓子やら、クッキーやら。何かしら持っていくのが当時の礼儀だった。

懐かしい。

ゲームのコントローラーや、カセットを持って行くことも慣例となっていた。

当時のゲームは4人でするゲームだった。しかし、家によっては、2つしかコントローラーがなくて、足しで持って行く必要があった。

5人ほど集まる時は少し厄介だった。交代しなければならなかったから。

そんなことも、ふと思い出した。

なぜそんなこと、思い出したかのか。

久しぶりに自転車で町を走っていた。

すると当時、よく遊びに行っていたA君の家の匂いが香ったから。

甘い香り。食べ物の甘さというより、お花のような甘い香り。そんな主張のあるきつい香りじゃなくて、ほんのり香ってくる感じ。

学校で、落とし物があった。誰のかわからなくなってみんな困っていた。僕はわかった。匂いがA君のものだった。

無事にA君のもとへ返すことができた。

それくらい、印象的な匂いだった。

どことなくいつも癒されていた。

匂いが好きでA君の家に遊びに行っていたと言っても過言ではない。

そんなA君の家は、マンション。全体的に洋風なインテリア。電球はオレンジ。窓からいつも遊んでいた公園が見える。

夕方の5時くらいになると、A君のお母さんが料理の支度をされる。

よく、洋食の匂いがしていた。美味しそうだなあ。っていつも思っていたのも覚えている。

そんな匂いも含めて、深く僕の記憶に刻まれていた。

その記憶が一気に蘇ってきた。

あの頃にはもう戻れない。

切ない思いがした。

でも久しぶりに、A君のお家に遊びに行った感じがして、嬉しかった。久しぶりに小学生に戻った気がして幸せだった。

匂いって、こんなにも深く記憶に刻まれるんだと、改めて実感した。

大人になった今、他人の家に上がり込むということは、めっきりなくなってしまった。

そして、上がったとしても、あの頃のように匂いを楽しめる感覚は薄れているような気がする。

でも確実に、あの頃の匂いは、記憶に刻まれている。

もしかしたら、あの時好きだった匂いに出会うことで、子供の頃に一瞬でも戻れるかもしれない。

それがなんだかとても楽しくて、嬉しかったので、今日は綴られせてもらいました。


今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!
いつも、読者の皆様に支えられています!!

そういえば、あれは、A君だったのかな・・・・

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