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足底筋膜炎

こんにちはコゴです。健康意識が高まった昨今。マラソンの大会に参加される方も多いのではないでしょうか?走ると足裏が痛い・・・なんて方が来た時以外にも、ランニングなどのスポーツで負荷かけてなくてもなる場合があるんです!今回は足底筋膜炎について書いていきたいと思いまーす!!

1.足底筋膜ってなに??

足底筋膜なのか足底腱膜なのか・・どちらも言葉としては使われいるようなのです。なので定義から考えてみましょう。

筋膜とは
筋を覆う浅筋膜、深筋膜、腱膜筋膜、筋内膜、筋外膜、筋周膜

腱膜とは
膜状に広がった腱 (例:帽状腱膜)

というのを考えると足底腱膜というのが正しいかもしれません。

足底腱膜とは足の裏に膜のように張っている腱組織 (標準整形外科 医学書院)

解剖学的構造として、起始は踵骨隆起の底面で、停止は中足骨小頭であり、脛側と腓側の2つに分けられます。

踵骨隆起の底面を起始として
中足骨頭領域へ扇状に広がった脛側の大きな腱膜
腓側の小さな腱膜の2つである。
( 平本嘉助 J.Anthrop.Soc.Nippon 人類誌 98(1):107-110(1990) )

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2.足底腱膜炎はなぜなる

足底腱膜炎とは

足底腱膜に炎症が起き、小さな断裂をおこしておこる痛み
(標準整形外科 医学書院 より)

とされています。

一般的な原因は
①加齢による劣化、スポーツによる過用
②筋力低下
③体重の増加

と言われています。


そのほか以下のように言われている論文もありました。

実際の足底腱膜炎の病態は足底腱膜そのものの炎症ではなく、線維軟骨を含む腱膜付着部の変性である
(足底腱膜炎の治療update  整形・災害外科 56(11) 東山一郎,熊井司)


この腱膜付着部というのは2つの役割を担っているという可能性があります

①足底腱膜への張力を緩衝する作用
②荷重応力を分散する機能がある
(足底腱膜炎の病態に関する臨床解剖学的研究 理学療法学 Supplement Vol.36 No.2 2008 工藤慎太郎ら)

論文ではありませんでしたが、とても興味深かったので載せておきます。

なのでハイアーチで足底腱膜が過緊張の状態と偏平足などでアーチが低下している状態どちらでも起こりうると考えれそうです。

3.評価と治療

前述したようにハイアーチでも、偏平足でもなる可能性があるので、まず足部の形状を評価しましょう。

ハイアーチや偏平足に対する評価、治療は佐川さんの記事を参照してみましょう。

https://note.com/hitachiphysio/n/n61b56259e282?magazine_key=m8646e516a2a4


それに加えて痛みがでる動作はなんなのか見てみましょう。
なぜそこにストレスがかからなければいけなかったのか。
2パターンで考えてみましょう

・前足部荷重の時(つま先立ち)→ウィンドラス機構の破綻
・足底全接地の時→トラス構造の破綻


ウィンドラス機構

スポーツでいえばランニングやダッシュ、ジャンプ動作でなりやすいといわれているので、前足部荷重の時が問題になりそうですね。つまりウィンドラス機構の問題ですね。
ウィンドラス機構を立脚終期に発生させるためには、足趾背屈した際にアーチが挙上しなければなりません。

なので必要な条件としては

・足趾の背屈
・足底腱膜の適切な緊張
・距骨下関節の回外

足趾の背屈
左右差で比較してみましょう!背屈可動域が小さいと足底腱膜による巻き上げはできていないと考えていいでしょう。

足底腱膜の緊張
非荷重ではアーチがあるのに、荷重をかけるとアーチが潰れてしまうような人は緊張の低下と言えると思います。この場合は足部内在筋のトレーニングが必要です。

距骨下関節の回外
徒手的に見ると単純な可動域を見ることができます。もし可動域制限がある場合、足部の内転や内反の可動域も確認しましょう。原因としては腓骨筋短縮や、関節包内運動の低下なんかが考えられますね。立位時にtoe outなんかしてると動かないこと多いです。

加えてつま先立ちで見てみましょう!つま先立ちで距骨下関節が回内すると、うまくつま先立ちができないはずです!

それぞれの問題に対して治療していきましょう。

①足趾の背屈が硬い
足底腱膜の過緊張の場合はストレッチが有効です。2分かけてゆっくり伸ばすようにしましょう。

腱のストレッチに関しては前述の起始・停止を伸ばす必要があるのですが、筋と同じで2分間ストレッチしてあげるのいいみたいです。

腱組織の伸張を目的としたストレッチングは2分間で十分
(腱の伸張に有効なストレッチング時間を探る
金澤浩ら 第43回 日本理学療法学術集会 抄録集 セッション475)

論文ではありませんでしたが、腱組織に対する成果の珍しい報告でした。

②足底筋膜の緊張低下
適切な緊張を確保するには内在筋(特に屈筋)をトレーニングしましょう。これに関してはタオルギャザーが最強です。ですが、タオルギャザーにもポイントがあります。はい。
・踵を浮かさないこと
・伸展相をつくること
なんです。
なぜかというと
踵を浮かしてしまうと足関節底屈要素が強くなり足趾屈筋も足関節底屈に働いてしまうからです。足趾の屈曲に働かせるために底屈位をとると代償が抑えられるということですね。
伸展相をつくる理由としては感覚的要素にも問題があるからです。伸長位と短縮位を繰り返すことにより、筋紡錘が発火し位置覚・運動覚の入力になるからですね。

③距骨下関節の回外制限
可動域制限なので回内筋の短縮をまず考えます。回内とは背屈+外転+外がえしなので、これに当てはまる筋といえば腓骨筋です。腓骨筋のストレッチをすることで可動域が改善するケースもあります。
また底屈位で回外できていない場合後脛骨筋の機能不全の場合があります。その場合はつま先立ちトレーニングを行うとよいでしょう。

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つま先立ちトレーニングの方法としては踵と踵をくっつけた状態で、足をハの字に開きそのままつま先立ちになります。こうすることで荷重位置をぶらさずに底屈することができて、距骨下関節を回外位に持っていくことができます。


トラス構造

スポーツをしていない、もしくは足底全接地の時に痛いとなるとトラス構造の問題と考えます。

トラス構造とは立脚初期から中期に作用し衝撃緩衝や荷重分散を担っています。そのなかでも足底腱膜は大きな役割を担います。

トラス構造を働かせるためには足底腱膜の伸張性と、荷重時に足底腱膜が伸張される骨アライメントでなければいけません。

腱のストレッチに関してはウィンドラス機構でも書いたように2分間ストレッチしてあげるのいいみたいです。


荷重時に伸張される骨アライメントとしては以下の3つが挙げられます。

距骨下関節の回内
横足根関節の回内
足根中足関節の背屈
(相馬正之 理学療法ジャーナル 53巻8号 2019)

この3つを評価します。

距骨下関節の回内
徒手的に動かしてみます。
硬ければ足部の外転や外反もみてみましょう。それも硬いときは後脛骨筋が短縮してるかもしれないですね。
荷重下でも見てみます。距骨下関節が回外していればハイアーチになってるかもしれません。

横足根関節の回内、足根中足関節の背屈
この2つは左右差を見てみましょう!
この可動域が小さいと立脚中期にアーチが低下せず足底腱膜が伸張されません。それにより足底腱膜には強いストレスがかかります。

また、足趾の背屈は靴の形状によっても左右されます。靴のフレックスポイントがあることが重要です。フレックスポイントがないと歩いてる時や、走ってる時に足趾が背屈しないので、当然トラス構造やウィンドラス機構は破綻します。

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