4-お勧めの本19

【本】スティーヴン・C・ロウ『ウィリアム・ジェイムズ入門』:現代にも生きるジェイムズの考えをコンパクトに知る

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

今回は、スティーヴン・C・ロウ『ウィリアム・ジェイムズ入門』(日本教文社, 1998)を取り上げます。

■要約

何かをうまくなしとげるためのやり方とは、自分がその何かを行なっているかどうかをまったく気にかけないことだ。すべてをコントロールしようとする努力をあきらめる。あきらめるとは何もしないことではなく、現状をすべて受け入れて、その中で選択と行為を行うということだ。そうすることで行為を自我の闘いよりも上位に位置づけることができる。

■ポイント

ギリシャ哲学では変化するよりも不変であることの方が価値のあるものだと考えて、経験よりも概念に価値を置いてきた。しかし、概念と経験は互いに補いあうものであり、どちらも必要である。実在を現に動かしているものに関心があるなら、高慢な概念には背を向け、過ぎゆく濃密な時間の中に身を沈める必要がある。概念は、実在がとる真の立場ではなく、仮定であり、われわれの記すメモにすぎない。

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