5-話す技術

【連載】みんなの前で話す技術(第12回):【最終回】普段のおしゃべりも練習の機会になる。

金曜日は「みんなの前で話す技術」講座を連載しています。今回は最終回です。

この連載講座ではこの「みんなの前で話す技術」について考えてきました。これまでに以下のようなトピックについて書いてきました。

01 おとなの"Show and Tell"
02 「これについて聞いてほしい!」ということがあれば話すのが楽しくなる
03 15分で一区切り
04 15分話したら別の活動を入れる
05 前置きなしに本題に入る「結論ファースト」
06 原稿なしで話す。プロットは作る。
07 聞き手の目線で話す。
08 質問は直接受けずに質問カードを使う。
09 話の最小構造は「問題-主張-データ-結論」。
10 スライドを使う。
11 話の補助としてのスライドの作り方。

最終回の今回は「普段のおしゃべりも練習の機会になる」ということを書きたいと思います。

実際のところ「大勢の前で話す」という機会は、そうたくさんはありません。大学教員のように週に何回も授業で話しているという仕事であれば別ですが、そうでなければ大勢の前で話すという機会はそうたくさんはありません。ですので、いざそういう機会が巡ってきたときに、ドキドキしたり緊張したりするのですね。

それを乗り越えるためには、練習することが一番です。とはいっても大勢の前で話すという機会そのものが多くはありませんので、なかなか練習ができません。そこで、普段のおしゃべりを練習の機会にすることを提案したいのです。仲間とのおしゃべりなら毎日していますので。

とはいってもおしゃべりの中で演説をしようというわけではありません。おしゃべりはおしゃべりとして楽しんでください。しかし、どんなおしゃべりでも何かの話題を導入するということがあるはずです。たとえば、最近見た映画のこととか、テレビドラマのこととか、何かびっくりしたこととか、失敗したこととか、うまくいったこととか、おしゃべりのネタになるようなことです。これは、誰かが最初に口火を切って紹介しなければおしゃべりが始まりません。

このときはおしゃべりをしている全員があなたの話を聞いてくれます。これがチャンスです。できるだけ短い時間でシンプルに自分の話題について話します。「こんなことがあって、こう展開して、こういう結果になって、私はこう考えた」というひとまとまりのストーリーです。頭の中で構成を考えながら話していく。これがとても良いトレーニングになります。

これこそが、この連載の最初に提案した「大人の"Show and Tell"」ということです。普段からこのようなことを意識して、ひとまとまりの事柄を簡潔に誰でもわかるように話すというトレーニングをしていけば、必ず「大人の"Show and Tell"」はうまくなっていくでしょう。

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