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019 [おとなの研究] 「おとなの研究」の特徴と楽しみ

2017年から「おとなの研究コース」というものを開いています。この「おとなの研究コース」は2021年で5年目に入り、9期生を迎えました。

「おとなの研究コース」は次のような意図で始めました。

現場で働いている社会人が「研究」を始めたらどうなるでしょうか。何か面白いことが起こりそうです。特定の組織に所属せずに研究をしている人を「独立研究者」と呼びましょう。このコースでは3ヶ月をかけてその第一歩である「独立研究者を始める」ということを学んでいきます。「研究」というと難しく思えたり、現場には関係ないと思うかもしれません。しかし、そうではありません。現場の観察から問題を発見してデータを取り、それを分析して研究論文を書いて発表することによって、現場も自分も大きく成長していきます。その方法を身につけましょう。

ここに書いたその意図は良いものであり続けたと思っています。毎期ごとに着実な人数の受講生が集まってくれたことはその根拠としていいかと思います。しかし、その成果は目に見えるものとして世の中に出たのかといえば、まだ道は遠いと言わなければなりません。

「おとなの研究コース」とその後の「研究部」では、独立研究者として学会発表や論文投稿ができるような土台を作ることを究極のゴールとして設定していました。しかし、いま考えていることは、それがはたしてそのまま「おとなの研究者」のゴールとして設定されるべきなのだろうかということです。

・おとなのテニスはジュニアのテニスとは違う

私は50歳近くになってからテニススクールに入って、テニスを始めて15年ほどになります。正確には中学・高校時代にテニス部に入っていましたけれども、それは実質的にテニスをしていたとはカウントしません。ともあれ、そんなふうに「おとな」になってから始めるテニスはジュニアのテニスとはそもそも意味合いが違います。

おとなのテニスの特徴は次の3点にまとめることができます。

・テニスを無理をしないで続ける
・でも、きちんとしたトレーニングを受ける
・そして、テニスを楽しむ

まず、テニスを無理をせずに続けることです。続けること自体に価値があります。私は初めの頃がむしゃらにやって、テニス肘になったり、足の肉離れを何度もやりました。それでも今続けていられるのは、だんだん無理をしない身体の使い方がわかってきたからです。

そのためには我流ではない、きちんとしたトレーニングを受ける必要があります。それは無理のない身体の使い方を知って、ボールを打つことを習得するためです。我流でやっている人はいずれ怪我をしてしまいます。

そして最終的には、テニスをすることを楽しむことです。プレーをできるだけ長く続けることができれば、その分楽しみの総量は大きくなります。大会に出て優勝するとかそういうことではなく、実力の拮抗した仲間達とゲームをして、勝ったり負けたりすることです。そして、少しずつでも進歩していく。そのこと自体が楽しみのプロセスなのです。

・「おとなの研究」の特徴と楽しみ

「おとなのテニス」の特徴を「おとなの研究」に当てはめてみるとどうなるでしょう。おとなの研究の特徴は次のようになるでしょう。

・研究を無理しないで続ける
・でも、きちんとした研究のトレーニングを受ける
・そして、研究を楽しむ

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