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質問と回答

おとなの研究を始めよう」購読者から寄せられた質問に回答します。

[質問01] 引用文献と参考文献の違い

向後先生 いつもありがとうございます。引用文献と参考文献の違いについて、ご教示いただけますよう、よろしくお願いいたします。(2020/09/22)

回答

引用というのは、誰かが論文や記事や書籍の中で主張していることを、そのままの形かあるいは要約して、自分の文章の中で記述することです。このように引用されたものは、最後にまとめて「参考文献」あるいは「引用文献」あるいは「Reference」として引用元がわかるようにリスト化されます。

このように引用元が分かるような文献のリストがあれば、それが「参考文献」と書いてあっても「引用文献」と書いてあっても、あるいは単に「文献」と書いてあっても、同じように引用文献リストとして扱われます。

引用文献リストをつけることは、すべての学術的な論文と著作に当てはまるルールです

もちろんこのルールに従わない記事や著作を書くことができます。たとえば、新聞記事や週刊誌の記事には通常、文献リストはついていません。また出版されている大多数の本にも文献リストがついていません。一方、学術的な研究書には必ず文献リストがついています。ですので、一般的な書物と学術的な研究書を区別するためは、文献リストがついているかいないかを見ればいいということになります。

一般的な書物では、あとがきの中に「この本は以下の本を参考にさせていただきました」というような形で、参考にした本が列挙されていることがよくあります。これは、本文中で引用の明示(「誰々(何年)によると……」の形)と紐づけられていなければ、引用文献リストとは言えませんので、注意してください。参考にしたのであれば、その本のどこをどのように参考にしたのかを引用の形で記述しなければなりません。これが研究論文、研究書のルールです。

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